Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

真っ赤なレヴォーグ

愛車レヴォーグを購入して、5年目の車検。代車は真っ赤なレヴォーグであった。自分では絶対買わない色だなぁ。マイナーチェンジした C型以降の GT-S というモデルではないかと思う。内装はブルーのスティッチが入っている。

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真っ赤なレヴォーグ

僕の愛車は初期モデルの A型、色は汚れの目立たないシルバーである。

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銀色のレヴォーグ

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真っ赤なレヴォーグ:インテリア

2年前の車検の時は、営業さんのプッシュ攻撃の一環で、STI Sport が代車となり、愛車と乗り比べたものである。

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フルモデルチェンジする新型レヴォーグの発売は、今年の秋以降と言われている。今回は最初から STI Sport のグレードも発売されるらしい。

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尊敬するコンピュータ・サイエンティストが、ビジネスの現場にやってきた

研究所時代の同僚で、最も尊敬する同い歳の IT技術者(コンピュータ・サイエンティスト)と、久しぶりに 2人で飲んだ。分散システム、特に OS やミドルウェアの研究開発者であり、Tanenbaum 博士の書いた Minix という教育用 OS の教科書(原書初版)を輪講して、そのままそこに仮想記憶管理のコードを追加して書いてしまうようなハッカー。30年にわたる会社人生を技術者として全うするつもりだったらしいが、何と今は新しいデータビジネスの会社の立ち上げに奔走している。事業開発だけでなく、新会社のパソコンや情報システムの整備など、慣れないスタフとしての仕事もやっている。

monoist.atmarkit.co.jp

研究所からビジネスの現場へ。全く新しい環境に放り込まれた訳だが、「最前線」に出られたことを素直に喜んでいるようだ。研究所にいるとなかなか顧客の声を聞く機会が得られないらしいが、今だと「アイディアの段階でヒアリングに行ける。」研究所にいると、顧客のところに行く前に、かなりの技術の完成度を求められるらしい。

新しい開発なのだから、失敗するのは当たり前。MVP (Minimal Viable Product) で顧客の反応を見ながら、細かく軌道修正するリーン・スタートアップのやり方ができるという訳だ。

僕は20年前、彼よりはかなり早い30代後半で、研究所を追い出されて、インターネットビジネスの最前線に飛び込んだが、あの時は顧客のダイレクトな反応を感じながら、サービスを開発する喜びを感じたし、ビジネスを立ち上げるためなら、技術者という枠に閉じこもらず、何でもやらなければならない毎日が刺激的で、楽しくて仕方がなかった。彼はこの歳になってその喜びを初めて体験している。そしてその経験に共感する僕がいる。

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お互い「ジャマおじ」にならないこと(安宅和人『シン・ニホン』参照)、若手の背中を押すおじさんになること、そしてその大前提として、現場で汗をかいて、おじさんの本気のほどを見せることを誓い合った。まさか、この歳になって、彼と研究開発ではなく、事業開発の話をすることになるとは夢にも思わなかった。

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さて、優秀なコンピュータ・サイエンティストである彼との会話から、印象に残っているものを記しておく。

ここ数年ずっと気になっていた技術について、尋ねてみた。「Docker のようなコンテナ型仮想化って、どうなってるの?」

「あれは Unix のプロセス。fork & exec の世界。だから軽い。ただしプロセスごとにユーザやファイルシステムを持っている。」

なるほど。何とわかりやすい説明なのだろう。特にわれわれのような Unix 世代には、一発でその本質が理解できる。独立した名前空間により、ホスト名、ファイルシステム、ネットワーク、UID、GID などがそれぞれ別に管理されている Unix プロセス。それを使って実装されたアプリケーション実行環境という訳だ。

さらに「複数のノード上に分散するコンテナを管理する Kubernetes がメジャーになっていて、いろいろなクラウド事業者が採用している」と、Docker 周辺の最新動向まで教えてくれた。さすがである。

qiita.com

www.slideshare.net

kubernetes.io

www.slideshare.net

API エコノミーで、SaaS(Software as a Service)、マイクロサービス・アーキテクチャ、さらにはサーバレス、FaaS (Function as a Service) の時代。サービス化されたソフトウェアを中身はある程度ブラックボックスであっても、それらをうまく組み合わせて活用することにより、システム構築の生産性は飛躍的に上がっており、ソフトウェアこそがビジネスのデジタル化、いわゆるデジタル・トランスフォーメーションのコアとなっている。それを「ソフトウェア・ファースト」と呼ぶ人もいる。

note.com

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一方、われわれはオープンソース・ソフトウェアの先駆けの世代。ソフトウェアをブラックボックスのまま使うというより、当時は公開されたソースコードを読んで、中身を理解することができる時代でもあった。Minix のような教育用 OS をはじめ、LinuxFreeBSD のような OS、Xウィンドウシステム、プログラミング言語処理系と言ったシステムソフトウェアのソースコードを読む、そのアーキテクチャやコードの美しさに感動する、場合によってはそれを改良するというのが、コンピュータ・サイエンスの世界での最初の一歩であり基本スタンスだった。したがっていまだに面白い技術は、どうやって実装されているのかが気になるし、ソースコードを眺めてみたくなる。そうしないと動作原理がわかった気がしないのである。

因みに深層学習、ディープラーニングに代表される機械学習の技術もそうだ。解説書を読んだだけでは、どうもわかった気がしない。ソースコードを眺めたくなる。特にディープラーニングの場合、その前提となる数学も必要になる。「数学から逃げない」で、機械学習モデルの原理となる数学を高校レベルから解説し、かつ Pythonソースコードで学習モデルが提供されている本がある。これを読むと、ディープラーニングの原理が、わかった気になるオススメの本である。

だいぶ脱線してしまった。実は彼が立ち上げに奔走している会社のウェブサイトは、僕が勤めている会社が構築した。不思議な縁である。今後はさらに一歩踏み込んで、事業面でのコラボレーションができるか、話をしてみたい。僕の事業開発・経営の経験が、少しでも彼の役に立つことができれば嬉しい。

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古代史を学び直す

日本書紀成立1300年の年にあたって、特別展「出雲と大和」を観て古代の日本に思いを馳せたのはいいが、僕の日本史の知識は40数年前の中学・高校時代、1970年代のままで止まってしまっていることに、改めて気づかされた。1984年に発見された荒神谷遺跡の銅剣や、1996年発見の加茂岩倉遺跡の銅鐸については、当然だが習った記憶がない。山陰・北陸に特有の四隅突出型墳丘墓も教科書に載っていたかしらん?ヤマト王権と関わりの深い纏向遺跡箸墓古墳について、そもそも習っただろうか?そういえば邪馬台国の場所論争はどう結論づけられたんだろう?

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最新の山川の高校生向けの参考書『詳細日本史研究』(2017)や『詳細日本史図録』(2017)、『ナビゲーター日本史』(2016)に目を通してみた。『ナビゲーター日本史』は味気ない教科書と違って、物語のように読むことができる。『詳細日本史研究』は教科書よりも、さらに詳しく、深くテーマを掘り下げている。

詳説日本史研究

詳説日本史研究

  • 発売日: 2017/08/31
  • メディア: 単行本
山川 詳説日本史図録 第7版: 日B309準拠

山川 詳説日本史図録 第7版: 日B309準拠

  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: 大型本

最近の考古学の研究成果は、高校生向けの参考書『詳細日本史研究』にちゃんと反映されていた。荒神谷遺跡の銅剣 358本の発見は、当時全国で見つかっていた銅剣の数よりも多かったこと、なぜ大量の銅剣・銅鐸が埋められていたかについてはまだわかっていないことが記載されていた。山陰地方から一部北陸地方にみられる四隅突出型墳丘墓については、弥生時代後期の墳丘墓にはきわめて明確な地域性がみられると説明している。

邪馬台国については、古くから九州説と近畿説とがあり、どちらをとるかにより日本列島における国家形成過程の理解が大きく異なってくるわけだが、従来4世紀と考えられてきた古墳の出現年代が3世紀中葉までさかのぼると考える研究者が多くなり、少なくとも考古学の分野では、近畿説をとる研究者が多くなりつつあるとしている。そして箸墓古墳は出現期最大の前方後円墳と紹介され、その北西方に隣接する纏向遺跡では3世紀前半の大型建物群が見つかり、邪馬台国から初期ヤマト政権への展開を解くカギを握る遺跡だとしている。

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

  • 作者:猛, 梅原
  • 発売日: 1981/04/28
  • メディア: 文庫

実を言うと、日本史の副読本として、梅原猛『隠された十字架』や江上波夫騎馬民族国家』を中学生に読ませるような変な学校だった。1970年代半ばのことである。当時「騎馬民族に征服されたのが大和朝廷」という大胆かつ衝撃的な仮説が提起され、話題を呼んでいたのだろう。

その「騎馬民族征服王朝説」についても、『詳細日本史研究』はしっかり紹介してくれている。4世紀後半、東北アジア系の遊牧騎馬民族朝鮮半島を経由して日本列島に侵入し、統一国家を樹立したと言う学説である。後半期の古墳文化が多数の馬具・金銅製の装身具を伴う騎馬民族的・王侯貴族的なものに大きく変化することをもとに提起された。ただそうした変化は5世紀初め以来、100年の間に次第に進展したもので、騎馬民族の渡来・征服による革命的な変化を想定するのは困難である。むしろ、4世紀後半以降の高句麗の南下に伴う朝鮮半島南部の戦乱に倭国もかかわり、その結果、多数の渡来人が日本列島に来て、その社会や文化に大きな影響を及ぼしたというのが、最近の通説である。

このように『詳細日本史研究』は、高校生レベルの基礎知識を確認するのに役に立つ。日本の歴史に関する展覧会に行くにあたっては、その予習・復習に活用できる。

考古学と歴史学。それをつなぐ科学的な分析があり、新たな発見がある。まだ教科書にはなっていない研究、最新の学説については、ちくま新書『古代史講義』で知ることができる。この本によれば、新しい史料、新しい遺跡の発掘調査、国際関係から見た研究により、日本古代史像は大きく変貌しつつあるという。邪馬台国所在地論争も、考古学的調査結果と絡み合ってますますヒートアップ、吉野ケ里遺跡や纏向遺跡といった弥生時代の遺跡を、卑弥呼の居住地と重ね合わせる論議が代表格となり、さらには出土品の年代測定の精緻化により箸墓古墳の築造が3世紀半ばまで上がってきたこともあって、近畿説論者では被葬者が卑弥呼かその後の壱与かという論争も熱を帯びているらしい。

古代史講義 (ちくま新書)

古代史講義 (ちくま新書)

  • 発売日: 2018/01/10
  • メディア: 新書
考古学講義 (ちくま新書)

考古学講義 (ちくま新書)

  • 発売日: 2019/05/07
  • メディア: 新書

学者ではない方々による著書も興味深い。たとえば出口治明氏や茂木誠氏の本を読むと、最新の学説を参考にしつつ、独自の論考を展開している。これらの本は、世界史の中における日本という地域の歴史に注目して書かれており、当時の日本は、先進国であった中国の影響を大きく受けていたことが、改めてよくわかる。

絵画のような日常のスナップ:「永遠のソール・ライター」(Bunkamura ザ・ミュージアム)

ニューヨークの街角の何気ない日常。それを見たことのない構図で切り取ったスナップ。ソール・ライターの写真にはどこか惹きつけられる。日常を描いた絵画のような写真だからかもしれない。浮世絵を連想させる大胆な構図だからかもしれない。Bunkamura では、回顧展「永遠のソール・ライター」が行われている。

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「永遠のソール・ライター」

www.bunkamura.co.jp

2017年にも回顧展が開催されているが、残念ながらその時はソール・ライターという写真家の存在を知らず、見逃している。

www.bunkamura.co.jp

ソール・ライターの写真の特徴は、ニューヨークの何気ない日常の風景を、独特な構図で切り取っていること、そして赤い傘といったワンポイントのカラーを置いていることにある。水滴のついたガラス越しの景色や、ガラスに写り込んだものも、写真家の眼は鋭く捉えている。雨や雪もモチーフとなっている。寒い冬の一日も、毎日欠かさずカメラを持って散歩をしていた老齢の写真家の様子が目に浮かぶ。普通の人であれば見逃してしまうような何気ない日常も、ソール・ライターにとっては出来事の連続だったのかもしれない。画面の隅の方に押し込められた先に、何かしらの事件が起きている。ニューヨークの街並みに向ける写真家の優しいまなざしを感じ取ることができる。

ユダヤ教の聖職者ラビへの道を捨て、画家、そして写真家を志したソール・ライター(1923 - 2013)。1950年代にファッション誌の表紙を飾る写真で成功したあと、表舞台から姿を消してしまう。1980年代の隠遁生活により、忘れられた存在となってしまったが、80歳を過ぎた 2006年に出版された『Early Color』で脚光を浴びる。

Early Color

Early Color

  • メディア: ハードカバー

膨大なスナップが残されており、少しづつ整理されているらしい。今回の展覧会では、セルフ・ポートレートの他、妹デボラと最愛の女性ソームズの写真がまとめられている。

2017年と2020年、いずれの展覧会も、公式図録が一般販売されている。2020年、今回の展覧会の図録が『永遠のソール・ライター』、そして2017年の図録が『ソール・ライターのすべて』である:

永遠のソール・ライター

永遠のソール・ライター

  • 発売日: 2020/01/09
  • メディア: 単行本
All about Saul Leiter ソール・ライターのすべて

All about Saul Leiter ソール・ライターのすべて

『ソール・ライターのすべて』の表紙になっている、赤い傘と雪道の写真《足跡》が好きである。今回の展覧会でも展示されていた写真だが、なぜか公式図録である『永遠のソール・ライター』には掲載されていなかったように思う。会場でパラパラとめくっただけなので、見落としてしまったのかもしれない。という訳で、好きな写真が表紙になっている 2017年の図録も、別途入手した。

ランチは東急本店の麻布茶房にて。

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インフルエンザ?新型コロナウィルス?熱がなかなか下がらず往生した

2月10日(月)の夜から熱が出て、2月13日まで丸 3日、37.5度から38度近い熱が続いた。咳も出る。2月11日に休日診療所にて、インフルエンザの検査をしてもらったが陰性、「上気道炎、いわゆる風邪」との診断を受ける。休日診療では薬は1日分しか処方されないこともあり、翌2月12日にクリニックに改めて診てもらう。ここでも「今年はインフルエンザは流行っていない。関節痛の症状もなく、胸の音も大丈夫。」と言われた。

しかし風邪のわりには、なかなか熱が下がらない。3日も 37.5度以上の熱が続き、「もしや新型コロナウィルスではないか」と不安に駆られたりもしたが、2月13日の夜から 37度台前半に下がり始め、2月14日は 37度の微熱。2月15日(土)になってようやく平熱に戻った。2月16日(日)現在、まだ喉の痛みと咳は残っているが、ようやく通常の体調に戻りつつある。

これだけ寝込んでいると、途端に体力が落ちる。土曜日に平熱に戻ったので、リハビリも兼ねて近所の梅林を散歩したのだが、あっという間に足が疲れてしまった。

それにしても、ただの風邪の熱が 3-4日も続くとは、やはり歳を感じる。以前は 1日、長くて 2日もあれば熱も下がっていたと思うのだけれども…。重要な仕事も滞って迷惑をかけてしまったし、楽しみにしていた友人との会食もキャンセルせざるを得なかった。大した前触れもなく、ちょっとした喉の炎症から急に熱が出た印象であり、単純に基礎体力や体の耐性が落ちているのかもしれないなぁ。

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散歩かたがた梅を観る

4日ほど続いた熱がようやく治まり、平熱に戻りつつある。ただの風邪だったようだ。すっかり落ちてしまった体力のリハビリを兼ねて、散歩をする。暖冬ということもあり、ちょうど近くの公園の梅が見ごろになっていた。

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www.city.yokohama.lg.jp

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郷さくら美術館に立ち寄り、特別展「中野嘉之の世界」を間近で観る

両親を訪ねる前に、現代日本美術を専門とする郷さくら美術館に寄って、特別展「中野嘉之の世界」を観る。ふだんは桜の花を中心にした常設展示が行われる小さな美術館だが、今日は中野嘉之氏の作品のみが展示されていた。

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郷さくら美術館

www.satosakura.jp

satosakura.localinfo.jp

実はこの美術館に来るのは初めて。びっくりしたのは、作品との距離。すぐ近くまで寄って、そのタッチや色彩を子細に見ることができる。再訪して、常設展示の桜の日本画作品も、観てみたい。

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