Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

ゴルフ、岩盤浴、そして飲み食いに明け暮れた神戸への旅

4月28日(金)

連休前日。仕事を早く終わらせて、午後の新幹線で西に向かう。気の置けない友人たちとのゴルフ旅行である。

神戸・三宮駅近くのホテルに泊まり、その日はイタリアンの夕食。

www.the-royalpark.jp

r.gnavi.co.jp

4月29日(土)

名門・六甲国際ゴルフクラブでラウンドするも途中から強い雨に降られ、ハーフで諦める。「有馬温泉にでも行こうか?」と思ったが、若いキャディーさんがおすすめの三田の温泉施設「寿の湯」に行き、岩盤浴で汗を流す。

kotobuki-yu.com

昼前から嵐のような強風の雨になり、ゴルフを諦めて正解だった。

この日の夕食は和食。「くずし割烹こまじろ」の料理は美味しい上にインスタ映えするし、ホスピタリティーも高い。満足度の高いお店だった。

くずし割烹こまじろ
〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通2-8-9 2F
5,000円(平均)1,800円(ランチ平均)
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その後、部屋飲みをしたが、テレビで野球を見ていると、阪神ファン阪神の選手に対しても野次るのだということを改めて認識した。結果が出る前に野球放送が終わったので、平穏に見られる「ゴルフサバイバル」にチャンネルを切り替え、おじさんたちがああだこうだ好き勝手にコメントしながら見終えて解散。

4月30日(日)

朝早くから、六甲国際ゴルフクラブをフルにラウンド

muranaga-golf.hatenablog.com

14時半には三宮まで戻って、夕方の新幹線まで餃子専門店で飲む。その場で見つけて入った「チャオチャオ餃子」は、賑わっていた。餃子とビール、サワー、ハイボールが合う。

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お土産は新神戸の駅(アントレマルシェ)で買った神戸 Franzの壺プリン

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久しぶりに大量に飲み食いした旅であった。1ヶ月後の人間ドックに向けて、節制が求められる。

藤田真央と東京都交響楽団が対話する新しいシューマンのピアノ協奏曲(東京文化会館)

週末の金曜日、少し早く仕事を切り上げて上野へ。東京文化会館で開催される東京都交響楽団の定期演奏会を聴きに行く。不思議キャラの天才、藤田真央君がシューマンのピアノ協奏曲を弾くのだ。彼の生の演奏を聴くのは初めてで、とても楽しみである。

www.tmso.or.jp

夕暮れの上野は夜風が気持ちいい。文化会館2階の精養軒・フォレスティーユで、黒ビールを飲みながらの夕食。コンサート前のちょっとした幸せな時間である。

フォレスティーユでの食事

演目は次の通り:

藤田真央のアンコール曲:

最初の曲はロシアのウクライナ侵攻が長引く中、新たに取り上げられたものだ。ウクライナ在住の作曲家による美しいメロディで、平和への祈りが奏でられる。

そしていよいよ藤田真央君の登場。しかも大好きなシューマンのピアノ協奏曲。ピアノのところに歩いてくる姿を見るだけで、その天然の不思議キャラがにじみ出ていて、思わず微笑んでしまう、そして一度鍵盤の前にすると、繊細なタッチで美しい旋律を奏で始める。都響コンサートマスター矢部達哉さんが「真央君、神の子、不思議な子」とツイートしていたが、まさに天賦の才能である。

実は第1楽章が始まった時は「あれ?」という印象だった。今まで聴いたことのないゆったりとしたテンポ。その中にミスタッチもあって、これからどうなるのかと思ったのだが、杞憂だった。

曲が進むにつれ、どんどん乗ってきて、第2楽章、第3楽章では、オーケストラと対話するようなハーモニーをとても楽しそうに実現していた。時折オケの方に顔を向け、「僕はこう弾いたけど、君たちはどう弾く?」そんなやりとりが聞こえてきそうな演奏。心の底から楽しんでいるのが伝わってきた。聴いたこのない、新しいシューマンのピアコンだった。

拍手喝采の後のソロのアンコールは、モーツァルトを弾くように、繊細なタッチで柔らか、そして粒の揃った美しい音色であった。曲はラフマニノフ編曲のバッハ、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ。もっともっと聴いていたかった。

休憩を挟んで、R. シュトラウスの《英雄の生涯》。こちらもオーケストラの楽器がよく鳴って、素晴らしい演奏だった。やはり生のオーケストラは凄い。大音量の音が、空気の振動として直接に体に感じられるのは、ライブならではの醍醐味である。

英雄の生涯》の英雄は、R. シュトラウス自身である。定期演奏会のプログラム冊子である『月刊 都響 22年4月号』に掲載されている解説によれば、

彼の交響詩の中でもとりわけ長大な《英雄の生涯》は 1898年、シュトラウスの壮年期に完成された。内容は、一人の英雄=作曲家が、敵=批評家たちに非難されながらも、伴侶の愛を支えにし、敵と戦って勝利を収め、自らの業績を誇りながら、最後の隠遁生活に入る、というものである。(中略)この英雄が作曲家本人に重ねられていることは(自身は否定しているものの)、業績を描く部分で自分の過去の様々な作品の一節を次々と引用していることなどから明らかだ。(寺西基之)

英雄を支える伴侶を表すヴァイオリンを、コンマス矢部達哉さんが美しく奏でる。まるで言葉を話しているかのよう。同じく『月刊 都響』のインタビューを引用しておく:

英雄の生涯》は、R. シュトラウス交響詩の中でも、一番の傑作だと思います。コンサートマスターが弾くヴァイオリンの長いソロは、やはり技術的にも音楽的にも非常に難度の高いものですが、一番の難しさとは、いくら自分でプランを立てても意味をなさないことですね。(ソリストの自由度が高い)協奏曲とは違って、指揮者の解釈の枠組みの中で、ソロがどうあるべきかを捉えなくてはなりません。それでいて、やはりコンチェルトのように聴こえるべき箇所もあるので、それを指揮者の解釈とどう織り混ぜ、妥協せずに相乗効果を生み出せるかがポイントになります。

もちろんヴァイオリンだけではない。管弦楽のすべての楽器が入れ替わり立ち替わり活躍する。生でオーケストラの演奏を聴くと、それを目で見て確認できる。典型的なところでは、途中トランペット隊が退場して、舞台裏から演奏するというバンダも見られた。舞台袖のモニターを通して指揮者を見ながらの演奏であったらしい。

指揮者の大野和士さんが、長大なこの難曲を暗譜していらしたのも凄い。主旋律を奏でる楽器が次々と交代していく。R. シュトラウスらしい勇壮な音色が会場全体に響き渡る。「自分の解釈に基づいて、これだけの大きさのオーケストラをコントロールしているのは、きっと指揮者冥利に尽きるのだろうな。」大変だろうけど、何だか楽しそうに指揮棒を振っているように感じられた。

久しぶりに生のオーケストラを聴いて、とても充実した時間を過ごすことができた。大満足の演奏会であった。

定期演奏会のプログラム冊子である『月間 都響』は曲の解説が詳しい。全て英訳もついている。スコアを引用したより深い解説もあり、読み応え十分の冊子である。

藤田真央君の不思議キャラはリハーサル後のインタビューでもよくわかる。

今回の藤田真央のシューマンのピアノ協奏曲が、いかにユニークで新しい演奏だったか。若きツィメルマンと亡きカラヤンによる演奏と聞き比べるとよくわかる。

「没後50年 鏑木清方展」:鏑木清方は単なる「美人画家」ではなかった(東京国立近代美術館)

「西の松園、東の清方」と、京都の上村松園と並び、「美人画家」として称される鏑木清方伊東深水川瀬巴水の師匠でもある。「没後50年 鏑木清方展」東京国立近代美術館で開催されている。

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kiyokata2022.jp

先日の山種美術館の上村松園の展覧会と同じように、「美しい日本美人に会いたい」という軽いノリで観に行ったのだが、いい意味で期待が外れた、期待以上の展覧会であった。

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一つは鏑木清方美人画家というだけでなく、人物像を通して明治以降の近代東京の庶民の生活を描いた風俗画家の側面も多く持っていたということだ。そしてもう一つは、その絵が細部まで描き込まれたものであったということである。

《築地明石町》は、鏑木清方の最も有名な美人画の一つだろう。44年間行方知れずだったが 2019年に再発見された。今回の展覧会でも目玉の一つであり、チラシなどでも前面に出ている。再発見の時に伴っていた 2作品《新富町》、《浜町河岸》と並び、清方 3部作として展示されており、なかなかの圧巻である。

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「没後50年 鏑木清方展」チラシ

シンプルで清廉な印象を受ける《築地明石町》は、近づいて単眼鏡で拡大して観ると、とても繊細にディテールが描き込まれていることに驚く。額の生え際の髪の毛。後れ毛。眉。睫毛。着物の紋様。身につけている指輪。そして遠くに薄く描かれた風景。細やかに描き込まれつつも、全体を通して清廉な印象を与える美人画を通して、当時の彼女たちの暮らしが伝わってくる。

この鏑木清方の魅力をより深く知るために、ミュージアムショップで『鏑木清方原寸美術館 100% KIYOKATA!』を購入した。《築地明石町》再発見を機に刊行された画集で、所蔵者や学芸員にのみ許されていた至近距離での観察を可能にしてくれる。今回の展覧会にも出展されている清方 3部作《築地明石町》《新富町》《浜町河岸》をはじめ、《明治風俗十二ヶ月》、《三遊亭円朝像》、《墨田河舟遊》、《弥生の節句》、《端午の節句》、《鰯》、《初冬の花》、《晩涼》、《目黒の栢莚》の一部が原寸大で、時には 200% まで拡大されたプリントを、じっくり観ることができる。展覧会で見るよりも、もっと近くで詳細を確認することができる。解説は清方 3部作の再発見に貢献した、東京国立近代美術館学芸員である鶴見香織氏による。

近くの毎日新聞社が入ったビルでランチをとった後、もう一度美術館に戻り、常設展を見学する。弟子の伊東深水によって描かれた鏑木清方の絵が展示されていた。

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伊東深水《清方先生寿像》1951年

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山口蓬春《残寒》1942年

今日の「メインディッシュ」は KIHACHI のナポレオンパイ

クイーンズスクエアにあった KIHACHI Italian が 2017年 6月に閉店してしまい、とても残念だった。以来、ほぼ 5年ぶりに KIHACHI で食事をした。横浜高島屋にある KIHACH である。

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KIHACHI 高島屋横浜店

料理も楽しみだが、実を言うと「ナポレオンパイ」がお目当てであり、今日の「メインディッシュ」と言っても過言ではない(笑)。

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KIHACHI ナポレオンパイ

創業者の熊谷喜八さんが、フランスの「マキシム」で修行した時にその味に感銘したというナポレオンパイ。「マキシム」へのオマージュとして、KIHACHI ではイチゴの美味しい季節に登場する。サクサクとしたパイの食感、甘酸っぱいイチゴ、濃厚なディプロマットクリームとなめらかな生クリーム。絶妙な味わいが口の中で広がる。

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前菜3種盛り合わせ

  • ビンチョウマグロのマリネ オリエンタルトマトドレッシング
  • 豚トロのスモークとマンゴー、トマトのサラダ パクチードレッシング
  • 春キャベツとベーコンのスープ カッテージチーズを散らして

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オマール海老のスパイス焼 レモン添え

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牛ロースの網焼き 紫蘇の実アンチョビソース

KIHACHI の素材の味を活かした料理が好きである。

帰りがけ、ふとサイネージを見ると、5月にはイチゴではなくメロンの入ったナポレオンパイが登場するらしい。うぅ…。また食べに来たくなってしまう。

横浜駅に来るのも実に久しぶりだ。NEWoMan ニュウマン横浜初体験。

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NEWoMan ニュウマン横浜

2022年の桜たち

3月27日:太尾緑道

太尾緑道にはソメイヨシノ、ジンダイアケボノ、横浜緋桜が植えられている。ジンダイアケボノはソメイヨシノより、数日早く開花する。

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ソメイヨシノ

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ジンダイアケボノ

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横浜緋桜

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枝垂桜

3月28日:鶴見川

ジョギングの途中で足を止めて。

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3月30日:川崎ラゾーナ

会議のための外出した折に。

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3月31日:太尾緑道

ソメイヨシノが散り始めた。

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4月1日:増上寺

新年度を迎えた朝に。

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増上寺・三解脱門

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日本テレビの朝の中継

4月2日:入間カントリー倶楽部

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春のお彼岸を迎えた西方寺の花たち

地元では「花の寺」として知られる西方寺秋に咲き誇る曼殊沙華が有名だが、春の彼岸を迎えた今は、中日桜、ミモザモクレンといったさまざまな花を見ることができる。ゴルフ練習場のすぐ近くでもあり、レッスンに行く途中に寄ってみた。

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開館55周年記念特別展「上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―」(山種美術館)

トーハクで空也上人像を観た後、山種美術館開館55周年記念特別展「上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―」に立ち寄る。

「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。」 自らそう語った上村松園美人画は、気品に溢れるものばかりで、見ているこちらの心が洗われる。

上村松園《娘》
上村松園《娘》1942年(昭和17年

上村松園《娘》
上村松園《娘》1942年(昭和17年

創立者の山﨑種二が、上村松園と親しく交流しながら蒐集した計18点の作品は、屈指の松園コレクションとして知られており、この展覧会ではすべての作品を観ることができる。

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