Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

「ウィニング 勝利の経営」

ジャック・ウェルチによる新刊は、その名も「勝つこと」について。「ウィニング 勝利の経営」は、勝つための考え方や方法論を率直に語っている。

たとえば「戦略」については、こうである。(ポーター教授、クリステンセン教授のような)戦略の大家たちのアプローチには違和感がある。戦略は生き物であり、もっとダイナミックなものだ。理論家に傾聴すべきところはあるものの彼らの言う「科学的アプローチ」には疑問である。戦略についてじっくり考えるよりその分、体を動かせ。自分には5枚のシートを埋めるだけで十分だった。その5枚のシートを皆さんに伝授しよう。

万事がこの調子である。お得意のリーダーシップ、戦略、人材マネジメント。実質的な予算策定法から上司との付き合い方に至るまで、ウェルチならではのノウハウが詰まった本である。

正直に告白すると彼の自伝「ジャック・ウェルチ わが経営」 (上)(下)については、その自慢話が少々鬱陶しく感じられ、素直に読み進められなかった。しかし今回の新作、この歯に衣着せない「ノウハウ本」は非常に面白く、実務上も参考になるところが多い。

ウィニング 勝利の経営

ウィニング 勝利の経営

ジャック・ウェルチ わが経営(上) (日経ビジネス人文庫) ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫)