Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

偶然の再会

先週末、偶然、昔の友人に会った。こちらが家族連れで電車に乗っていたところ、途中の駅で、ちょうど僕の隣りに座ってきたのがその友人。僕が以前にいた研究所時代の後輩で、彼が転職して以来ずっと会っていなかった。おそらく15年ぶりくらいの再会になるのだが、全然変わっていなくてすぐに彼だとわかった。たった二駅しか話はできなかったけど、とても懐かしく感じた。

こういうことをきっかけに、忘れていた記憶が思い出されてくる。「研究所でソフトウェアそのものの研究をやるよりも、それを使うアプリケーション業務に携わりたい。」友人は送別会でそう挨拶していた。「自分よりも研究に向いている人がたくさんいる。自分は違う道を選ぶ。」と。そのとき僕は「彼らしい選択だな。」と感じた。

僕自身は当時ソフトウェアの研究開発にどっぷりと浸かっていて、世界を深めようと思えば思うほど、アプリケーションから基本ソフトのレイヤーに向かっていった。その後の留学先をカーネギーメロン(Carnegie Mellon)大学の OS の研究グループにしたのも、そのためだ。あれから10数年。今はアプリケーションソフトのサービスビジネスの現場にいて、当時とはまったく異なる志向性を持って、ものごとを考えている。しかしその思考方法は、常にソフトウェアを作ることがベースになっている。基本ソフトからアプリケーションまで意識的に携わってきた経験が、今の自分の発想を支えている。

それにしても転職した人、異動した人に偶然会うことが結構続いているような気がする。大都会で知り合いに遭遇する確率って、どのくらいなのだろう。