Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

梅田望夫さんと会食

数ヶ月ぶりに梅田望夫さんと会食する。以前お会いしたのは「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」が出る直前だった。今や30万部もの「ベストセラー作家」である。

いろいろお話しする中で面白かったのは、やはり YouTube 絡みの話。20代半ばで、見逃した TV 番組を YouTube で検索して見る人がいるとのこと。そういう人はレコーダを使わない。情報を「所有しない」で「消費する」。ストックではなくフローで扱う。そういう人が増えてきているというのである。

僕などは TV 番組はレコーダーに録画して見るし、大好きな映画やドラマは DVD を買う。最近は「TSUTAYA にあるからいいや」と買うのを少し自粛したりもするが、「ネットにあるからいいや」とは考えない。音楽も同じで CD を買う。iTunes Music Store で楽曲を買うことはほとんどない。

YouTube 世代は、映像はネットにあるはずだから、思いついたときに(必要なときに)検索すればよいと考える。梅田さん流に言えば、情報は「あちら側」にあるので「こちら側」には置かない。もしこういう視聴スタイルが一般的になるのだとすると、またこういう世代が数年後の実社会で力を持ってくるようになると、消費者向け家電製品というのも、今とはまったく違うものになる可能性がある。下手をしたら家電メーカーの基盤そのものが根底から揺らぐこともあり得る。「家電と連携するネットサービス」というだけでなく、家電の機器機能そのものが Web2.0 的なネットサービスになるという話なのだから。僕自身は、そういう視聴スタイルについて、まだ半信半疑の状態なのだが…。

Microsoft の Bill Gates の引退も話題になる。「自分の会社で、自らやめる必要はないのにもかかわらず引退を宣言したということは、ほんもののretirement ではないか」と梅田さん。一方で Bill Gates と同時代に生きた者としては、闘争心の塊のような人のイメージが拭えない。だから梅田さんの言うことにそうかもしれないと思いつつも、またいつか前線に戻ってくるような気がしてならない。こちらも半信半疑状態。