尊敬する先輩である森健一さんについては、このブログでも何度かご紹介してきた(「コンセプト創造の勧め」、「偉大な先輩たち」)。森さんが実践してこられた「コンセプト創造」については、「技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて」第6章に詳しく記述されている。
森さんが文化功労者として顕彰され、その祝賀パーティを開催したお礼ということで、森さんと数人で会食する機会があった。森さんが勤める東京理科大の近く、神楽坂「め乃惣」にて。
森さんにインターネットビジネス、特に ブログ・SNS の状況や、Google に代表されるネット広告のビジネスモデルを説明したところ、非常に関心を持って聞いていただいた。コンテンツマッチ広告は自然言語処理がベースにある。森さんたちが創造された日本語ワープロも、自然言語処理の代表的な応用機器である。同じ技術を基盤としながらも、インターネットの世界ではまったく異なる応用とビジネスモデルが成立していることが、森さんにとって新鮮に感じられたのではあるまいか。
森さんが一番楽しかったのは研究所の時代とのこと。本社転勤が決まったときは、森さんなりにショックだったとか。技術者であり、事業の創造者でもあり、そして最後は経営者でもあった森さんから、そういう率直なお話が聞けるのは楽しい。そして何よりも文化功労者の方とお酒を飲めるというのは、とても貴重な機会であった。一生のうちにそうそうあるものではないだろう。
- 作者: 伊丹敬之,森健一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/10/01
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泉鏡花「婦系図」に出てくる魚屋「めの惣」のご主人が神楽坂に作った割烹が「うを徳」。その先代の次男の方がやっている店が今回の「め乃惣」とのこと。気軽に和食が楽しめる割烹である。