Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

The Economist を読み始める

電子辞書(SR-G7000M)をいつも鞄の中に入れて持ち歩くようになったのを機に、何を血迷ったのか、通勤時に英語の雑誌でも読んでみるかという気になり、The Economist 誌を定期購読することにした(申し込みサイト)。

英語の雑誌を定期購読するのは久しぶりだ。20代半ば、英語学習に力を入れていた頃に TIME 誌を、30代半ばの頃は Business Week 誌を購読していた。この TIME の購読は、かなり背伸びした無謀なチャレンジだったと思う。「リーディングなら TIME(『タイムを読む』)、リスニングなら FEN(今の AFN『FENを聴く』)」という松本道弘氏のことばが頭の中に刷り込まれていて、いつかは TIME を読めるようになりたいと「タイムマラソン」というアルクの通信講座を受講したのだった。英語の力がついたというよりは、英語の雑誌を読むことへの抵抗感がなくなったのが大きな成果だったように思う。

さて、修辞が多く格調高いと言われる TIME と比べ、The Economist の英文はシンプルでわかり易いと感じる。難しい単語が少ないし、TIME ほど凝った言い回しもない。記事もアメリカに偏っておらず、全世界にわたっている。日本のできごとの扱われ方から判断するに、各地域・各国で話題になっていることがバランスよくカバーされているように思う。

The world this week というコーナーに、世界各国の動きが短く簡潔にまとめられており、ここに目を通すだけでもその週に世界で起こったできごとの概要を知ることができる。その後、より詳細な記事や社説の中で自分の興味の引くものを読むという順番になる。自分の見聞を広げるためにこの雑誌を選んだのだが、結局よく読むのは Business のコーナー、しかも IT の記事になりがちである。最近だと Microsoft の Bill Gates の引退が与える影響、Microsoftクラウドコンピューティングへの取り組みの遅れ。インターネットビジネス黎明期の寵児 AmazoneBayYahoo! のサバイブぶり。Yahoo!eBay が頭打ちなのに対し、Amazonクラウド・コンピューティングの分野で Google とも異なる位置に立ちつつあることが紹介されている。

クラウド・コンピューティングbuzzword となっている感があるが、サーバ側コンピューティングへの関心は高いようで、サーバ仮想化のトップ企業である VMware の Diane Green が紹介されたこともある。彼女は、シリコンバレーベンチャーの典型的な攻撃的でアグレッシブな CEO というよりも、協業とかオープンな環境での競争を好むタイプであるという紹介記事だったが、この記事が出た数日後、直近の業績の責任を取る形で Paul Maritz に交代させられてしまった。

Web サイトで雑誌を読める時代にわざわざ印刷版を定期購読する意味は、毎週手元に紙の雑誌が届くことでそれを読むきっかけになることだ。鞄に入れていつでも持ち歩けるので、ちょっとした時間に気軽に目を通すことができる。あまり肩肘張らずに興味のあるところから読むことで、継続的な習慣にできるとよいな、と考えている。

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