Muranaga's View

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夏から夏へ:大阪世界陸上から北京オリンピックへ

「やったー!」思わず TV の前でそう叫んでいた。北京オリンピック陸上男子400m リレー(4継)でついに悲願の銅メダル獲得!電光掲示板で順位を見て、喜びを爆発させた朝原選手の姿が目に焼き付いて離れない。

今回、個人の走力では勝る強豪国がバトンミスで決勝に残らなかったという幸運があった。しかしアンダーハンドパスで確実・高速にバトンをつないだ日本チームの総合力が世界に通用することを示したことに変わりはない。試合後のインタビューで末續選手が、陸上短距離(スプリント)の先輩たちが今までに作ってきたものへの感謝を強調していたのが印象的だ。

スプリントを題材にしたさわやかな青春小説『一瞬の風になれ』の著者、佐藤多佳子が今回のリレーのメンバーである朝原、末續、高平、塚原の4選手とその関係者にインタビューして書いたノンフィクションに『夏から夏へ』がある。

『夏から夏へ』 『一瞬の風になれ』

ちょうど1年前の夏、世界陸上大阪大会でアジア新記録を出した4人のメンバー。その世界陸上での戦い、オリンピックをめざす練習風景を描き、彼らを育成した恩師、家族、そしてリザーブである小島選手らから話を聞いて、「4継」の魅力や技術を伝えている。熱く、しかしクールに次の夏をめざす選手たちの真っ直ぐなことばと厳しい練習の様子が僕らのもとに届けられる。

夏から夏へ。大阪世界陸上から北京オリンピックへ。銅メダル獲得は、選手たちの努力が結実した瞬間だった。