Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

クルーグマンとマンキュー、再び

クルーグマンがノーベル経済学賞を受賞。The New York Times のコラム"The Conscience of a Liberal"(それをまとめた本が『格差はつくられた』 )でブッシュ政権を批判していたクルーグマンが、大統領選直前のこの時期に、しかも単独で受賞したということで、 いろいろな憶測もあるようだ。The Economist 誌はその学術成果である貿易理論や地域クラスターの発展について 1ページを割いて解説している。ふつうの人がインフォーマルに感じていたことをきちんと定式化したことがクルーグマンの成果であり、「誰よりも早くではなく、誰よりも上手にわからせることによって、よいコラムニストが成功するように、経済学者も成功する。」と結んでいる。

以前このブログで、経済学の教科書としてクルーグマンとマンキューの本を取り上げたことがあるが、マンキューは自身のブログでクルーグマンに祝福を送っている。それと同時に、クルーグマンの研究業績を称える文章と、その一方では彼のコラムに関する批判への二つのリンクが張られている。研究者としての業績は立派だが、コラムニストとしては少し自重すべきだ、と言うような含みがあるのかもしれない。饒舌なクルーグマンに対して、マンキューのブログはとても簡潔である。たった一言で終わっていたり、リンクのみを紹介したりしたものが多く、専門外の者にとって、その含意を読み取るのは至難の業である。

格差はつくられた