Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

『村上式シンプル英語勉強法』

久しぶりに英語学習に関する本を読んだ。日本の英語教育を嘆くグーグルの村上憲郎氏による 『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』である。この本は、ビジネスで通用する英語力をつけるために、ツボを押さえた勉強方法を提示している。31歳で外資系に転職、以来、村上氏はビジネス英語力をどうやって身につけたのか?無駄を切り捨てた、凝縮されたノウハウが公開される。

村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける

英語は筋力トレーニングと同じ、というスタンスは正鵠を射ている。目標を設定、それに向けて、ひたすら訓練して、あとは実践あるのみ、である。

以下がこの本に書かれた勉強法を簡単にまとめたものであるが、特に単語を「眺めて」1万語覚える、自分に関する 100 の文章を丸暗記しておく、という二つは参考になる。

  1. 読む:
    • 目標:300万語 = 小説 10冊、ノンフィクション 10冊。500語/分のスピードで読む。
    • 後戻りと息継ぎをしない。
  2. 単語を覚える:
    • 目標:1万語
    • ひたすら「眺める」。何度も「出会う」機会を作る。
    • 平日は一気に 3,000語、休日は 10,000語。
  3. 聴く:
  4. 書く:
    • 英作文ではなく「英借文」。
    • 基本的なフォーマット、テンプレートをストックする。
    • 「英借文」素材:
  5. 話す:
    • 自分に関する話題・自分の関心のある話題について 100通り、英借文して、丸暗記する。

地道な努力である。特に 10,000語を眺め続けるというのは、ちょっと始めてみるとわかるが無味乾燥な「作業」で 100語も続かない。大切なのは、これだけのことをやり続けるためのモチベーションと、訓練した成果を使う機会があるか、ということだろう。僕のようにずっとドメスティックなビジネスをしており、英語を使う機会から遠ざかっていると、勉強するモチベーションも上がらなければ、実践で定着させる場もない。差し迫った必要性もなく、「いつかは役に立つだろう」と思いながら訓練を継続するのは、かなりつらいのも事実である。

しかしこの本は、帰国子女でもなく英語が得意でもなかった村上氏が、いわばこれからめざす目標の等身大のモデルとなっていること、そしてその勉強法のシンプルさで、「もう一度英語をやり直そう」という気にさせてくれる本である。

この本に紹介されていた 10,000語レベルのボキャビル本として、特にニュース系・ビジネス系に有用そうな本は以下の通り:


ニュース英語パワーボキャビル4000語 ニュース英語パワーボキャビル3000語プラス 発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング

英語学習・辞書 関連エントリ