Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

ミクシィ経由で旧友と会う:クラウド、センサー・ネットワーク、学生との対話、進振り

3月はミクシィmixi)経由で二人の旧友とコンタクトがあって、お会いした。いずれもメーカーから大学の先生に転身された方たちである。最近僕がクラウド・コンピューティングについて、集中的にブログを書いていたこともあって(僕は mixi の日記からこのブログにリンクしている)、自然と話題の一つになる。

分散システムの先生とは、「世界にたった5台のコンピュータしか必要でなくなる」(Greg Papadopoulos's Weblog: November 10, 2006)時代の分散システムの研究について話をした。世界規模のクラウドは5つくらいになるかもしれないが、その周囲には国単位・企業単に無数のクラウドができあがり、それらの相互運用性やシームレスな活用については、「クラウド利用技術」として追求するところがあるのではないかと思う。特にセキュリティなどは企業ユーザとしては切実な問題である。ただこういった技術課題がアカデミアの世界で論文になるものなのかはよくわからない。そういった話をした。

一方、センサー・ネットワークの先生には「クラウドの何がすごいのか」を聞かれたので、自分の手元に一台の PC さえあれば、大規模な計算ができる並列コンピューティング環境が手に入れられるという話をした。たとえばセンサー・ネットワークから上がってくる無限のデータから、意味のある情報を抽出する計算に AWS (Amazon Web Services) が使えるかもしれない。センサー・ネットワーキング自体よりも、センサー・ネットワークを応用して何ができるかという点が重要になりつつあるとのことで、そうなるとウェブの世界の「集合知処理」と研究テーマはよく似たものになりそうである。

いずれの先生たちともお会いするのは久しぶりであり、最近の技術、互いの興味について有意義な意見交換ができた。

せっかくの機会でもあり、久しぶりに大学の研究室というものを訪れ、学生さんたちと話をした。今僕がやっているインターネット・サービスを紹介して、その裏側がどういう仕組みで動いているのか。実際の開発・運営上での苦労話や失敗談。企業はどういう視点でリクルーティングをしているのか。面接の時などでどういうところを見ているのか。在学中に身につけておくべきスキルは何か。英語はどこまで勉強しておくべきか。そして入社後にはどういう点がビジネスマンとして評価されるのか、などなど。自分が会社に入ったころに生まれたくらいの、若い人たちからの質問に答えていくのは非常に楽しかった。よくよく考えたら、自分の息子たちとはこういう話をまったくしてこなかった。彼らがその年齢に到達していないということもあるかもしれないが、親子間ではなかなか率直にこういう話はできないということもある。

センサー・ネットワークの先生は、東大の教養時代に隣りのクラスだったこともあり、共通の知人も多い。それにしても東大の電気電子系・情報系への進振りが底割れする時代かぁ。反対に、四半世紀前に底割れしていた機械系が80点以上の人気学科になっているとは。時代の流れを感じる。