先日お会いした梅田望夫さんに薦められた本が『ブラック・スワン』(上、下)。予想もしない形で「異常なもの」が現れ、そこに富が偏在する。現在の IT 業界の「ブラック・スワン」が、Google、Amazon、Apple であることは間違いない。梅田さんとの議論の一部を紹介する:
- この三者はクラウド・サービスを提供すると同時に、クラウドを前提とした端末を開発・提供している。
- 彼らが中心になって IT の覇権争いを繰り広げる中、Nokia、Microsoft などが生き残りをかけて戦っている。
- スマートフォンが「グローバルなクラウド端末」であるのに対して、日本のケータイは日本人にとって快適な進化を遂げた。その「ガラパゴス携帯」に象徴されるように、日本と日本以外(グローバル)とで、ウェブも端末も、別の方向に進化しつつある。
日本市場と日本以外のグローバル市場が別の進化を遂げるのであるならば、その両方に対応しなければならない日本企業はどうするべきか。メーカーは今までの「作って売る」ビジネスモデルだけでは立ち行かなくなる。「ブラック・スワン」たちが作ったビジネス・エコシステムと、そこで繰り広げられる生き残りのゲーム。常に変わり続けるその中で、自分たちはどこを担い、収益を確保するのか。今 ITや通信にかかわる日本のすべての企業が(と言っても過言ではない)、必死で向き合っている問題である。