Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

Kindle 国際版発売で、ぼくの英文読書生活は変わるか

雨の降る中 CEATEC を見学、遅めの昼食を銀座で取っている間にツイッターで「Kindle、日本でも発売」のニュースを知る。「CEATEC よりもこっちだ!」というのでよく調べてみると、Amazon.comKindle 国際版が購入できるようになるという話である。一番気になるのは無線部の通信料だが、日本でも無料であるとのこと。首都圏のカバレッジも大丈夫そうだ。


Kindle Wireless Coverage

ぼく自身、Kindle には大変興味があって、何度かこのブログでも取り上げてきた(「Amazon の Kindle は出版・新聞・雑誌業界の iPhone/iPod となるか?」「電子ブックは Kindle を待つまでもない、iPod touch で十分行ける」「iPhone と iPod touch 向けに Kindle アプリケーションが出た」)。Kindle を購入すれば、英語の本 1,500冊分の本棚を Amazon.com 内に実現することができる。



さて、ここは冷静にならないといけない。ぼくはもともとそんなに多く英語の本や新聞を読む人間ではない。毎週 The Economist に目を通し、面白そうな記事をピックアップして読む。新聞も iPhone 上で Wall Street JournaliPhone 版は近々有償になる) や New York Times、BusinessWeek を、週に2、3度読む程度だ。原書が出た時にすぐに読みたいベストセラーも Harry Potter くらいなものだし、その Harry Potter も終了してしまった。O'Reilly の技術書や、売れ筋のビジネス本も、たまに原書で読むことがあるが、通常は翻訳が出るのを待つことが多い。

Kindle Reader 国際版でそういうぼくの英文読書生活が変わるか?まず米国外の Kindle 版新聞・雑誌には写真や画像は含まれないと書かれている。ただでさえ白黒なのに、画像も載らないとなると雑誌の魅力は半減する。またぼくの場合、英文読書ではペンで線を引いたり、書き込んだりできることが必須である。一度英文を読んだだけでは要旨が頭の中に入らない場合があるので、メモや下線を手掛かりにあとで読み返して大意を把握しているからだ。Kindle ではそれができない。

一方、日本の Amazon では入荷待ちになっているような本が、 Kindle で安く、しかもすぐに読めるのは魅力だ。たとえばひと頃売り切れになっていた "Socialnomics: How social media transforms the way we live and do business" は、ハードカバー版 2,079円が Kindle 版だと $11.99 だ。$1 = 90円で換算すると 1,079円、ちょうど 1,000円お得になる。"Founders at Work: Stories of Startups' Early Days"だと、500円お得で即日入手できる。あるいはマンキューのような教科書。分厚い原書を鞄に入れるのは気が重いが、Kindle あるいは iPhone で軽快に持ち歩ける。ただし iPhone で持ち歩く場合は、Kindle for iPhone というアプリケーションが日本の AppStore でも入手可能になっていることが前提だ。Kindle を持っていなくても iPhoneKindle 版の本が読めるが、Kindle と同期する Whispersync が秀逸らしい

おそらく KindleiPhone の母艦になるKindleAmazon への入り口となり、そこで入手した英語の本を、ふだんは iPhone で読む。そういう英文読書生活が KindleiPhone を組み合わせることで可能になりそうである。さて、どうする?


Socialnomics: How social media transforms the way we live and do business

追記:2009.10.10

来年には Kindle DX 国際版も出るらしい。

また同じ本を、紙、オーディオブック、Kindle、iPhone で読み比べた記事を見つけた。

Amazon Kindle Reader に関するエントリ