「でっかい iPhone(iPod touch)だなぁ!」それがぼくの iPad に対する第一印象である。
スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)がプレゼンでも強調していたように、PC とスマートフォンの間のデバイスを考えに考えて、現時点で最高の完成度で出してきたらこの形になった。さすがだと思う。
ポール・クルーグマン(Paul Krugman)が "whyPad?" と題して、「自分には iPad を入手する理由が見つからなかった。」と述べている。GSM 携帯、ノートPC、Kindle を常に持ち歩いていて、もう荷物はいっぱいだし、iPad が PC を置き換えるものではないからだそうだ。その通り。クルーグマンのように、いつでもどこでも PC を使って仕事をするビジネスマンや知的プロフェッショナルにとって iPad は不要なデバイスだろう。
一方、カジュアル・インターネットユーザであるわが家では、iPad を購入する理由が見つかりつつある。リビングルームあるいは食卓に置いて、家族で共用するのである。特に家内がメインユーザになるだろう。なぜなら彼女は PC を使わないからだ。ほとんど iPod touch でメールとウェブを使っている。メールを読むためにわざわざ PC を起動する手間と時間が面倒なのである。わが家ではきっと iPad は食卓からインターネットへの窓となるだろう。また電子辞書や百科事典などは、ヴィジュアルでダイナミックな対話型のアプリケーションに期待がかかる。もちろん音楽プレーヤーとしても使われることだろう。
iBookStore は日本向けにはしばらく時間がかかりそうだが(Apple の日本サイトに iBooks の紹介がない)、きっと "Kindle for iPad" アプリケーションが出てくるだろうから、電子書籍版の洋書は Amazon で買って Kindle と共用できる。
家の中に置いて持ち歩かないので、3G も不要である。iPad は第一印象通り、「でっかい iPod touch」として活躍することになるかもしれない。唯一の懸念は、iPad の Safari が Flash に対応していないことである。