Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

ソーシャルネットワーキングを肌で感じる

ソーシャルネットワーキング(Social Networking)の動きが活発だ。

率直に言うと、ぼく自身はこの分野をあまり得意にはしていない。もともとオンラインの世界で交流するのに慣れていない上、これらのサービスは技術的というより、どちらかというと社会科学的なものでドライブされているように感じるからだ。大量のデータ、ソーシャルグラフを扱うためのソフトウェア構成、それをリアルタイムで検索するためのインデックスなど、技術的にも難しい側面は確かにあるが、こういうサービスの本質的な成長は、人と人とのつながりを理解することによって初めて実現できるのではないかと考えている。

しかし苦手だとも言っていられない。ソーシャルネットワーキングの動きを肌で感じないことには、ビジネスに結びつく発想はできない。インターネットサービスの事業に関わる以上、この大きなうねりの中に飛び込んでいかなければ。日本の mixi や2チャンネルとは違ったコミュニティがそこにはあるはずだ。

Twitter@muranaga) はおっかなびっくり始めた感じだ。「つぶやくだけ」のサービスなんて、何が面白いのか最初はよくわからなかった。しかしいったん始めてみると意外とそのサービスを楽しんでいる自分がいた。友人の活動に気づいているだけという緩い関係の心地よさ。そして業界キーマンやメディアからのリアルタイムの情報発信。新鮮かつ重要な情報が瞬時に得られて、RSS リーダの重要性は相対的に下がってしまった。

一方の Facebook。これが mixi に比べて何が楽しいのか今ひとつよくわからないが、Facebook が対称的な関係(friend)であり、Twitter が非対称的な関係("asymmetric follow")であるという Tim O'Reilly の議論("The Benefits of Asymmetric Follow")は、これらを使ってみて初めて実感できた。TwitterFacebook、この二つのサービスを使っていると、Google Buzz をあえて使う必然性を感じないのだが、O'Reilly は「メールがコミュニケーションの中心。それに非対称のフォローという概念を入れた。」として、Gmail 拡張としての Buzz を評価している("Google Buzz re-invents Gmail")。

こうした自分の経験はいずれ役に立つと考えている。たとえばグローバルに発達した実名ベースのソーシャルネットワーキングは、企業が顧客や株主などそのステークホルダーとのコミュニケーションや、マーケティングに積極的に活用すると考えられ、その手法を学ぶ機会になる。Twitter での公式メッセージの発信、Facebook の会員属性に基づくターゲット広告、ソーシャルネットワークを使ったキャンペーン…。

ソーシャルネットワーキングで最近大きな収益源になりつつあるのが、ソーシャルゲームとデジタル・アイテムの販売である。mixi アプリはもちろん、GREEDeNA の成長はこのビジネスモデルに支えられている。このトレンドには本当に参ってしまっている。ぼくがゲームをほとんどしないことがその理由の一つ。そしてデジタル・アイテムの販売・交換がなぜ面白いのか、どうしてそこにお金を使うのか、まったくもって理解不能だからだ。これだけはソーシャルゲームを得意とする人や、その道の専門家の話をよく聞かなければと思っている。

利用しているソーシャルネットワーキング

昔の留学時代の友人と、10数年ぶりにコンタクトがとれたこともあり、英語によるアウトプットの練習用に、Twitter で別アカウントも用意した。ここから LinkedIn と Facebook にフィードしている。