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『英語は「やさしく、たくさん」』『英語上達完全マップ』で英語学習の方向づけをする

英語の勉強法については、数多くの本を読んできた。古くは松本亨(『英語の新しい学び方』松本道弘『私はこうして英語を学んだ』)といった英語の達人の本に始まり、野口悠紀雄『「超」英語法』『英語は絶対、勉強するな!』、最近だと『村上式シンプル英語勉強法』このブログでの紹介)など、多くの本が僕の英語学習のガイドになってきた。

「勉強法の本を読んでいる暇があったら、英語の勉強に取り組む。」

というのが英語学習者としてのあるべき姿なのだろうが、どんな教材を使ってどのように勉強したら効果的なのか、ある程度のガイドは必要であり、それを先達に求め、参考になるやり方を随時取り入れているというのが、一般的な学習者の姿だろう。

最近、2冊の英語学習法の本を読む機会があり、どちらもよいガイドブックだと感じた。一つは伊藤サム『英語は「やさしく、たくさん」』、もう一つは森沢洋介『英語上達完全マップ』である。


英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ) 英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

より高いレベルを求めて、つい難しい英語教材へ手を広げてしまいがちだが、『英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方』は、タイトル通り「やさしい」英語に「たくさん」触れることにより、英語脳を鍛えることの大切さを説く。伸び悩んでいる時は思い切って教材のレベルを下げ、それを徹底的にマスターする。

『英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法』は、副題の通り、レベルに応じて適切な勉強法を紹介している。またウェブサイトにも、本の内容の一部が詳しく説明されている。標準的なトレーニングケースTOEIC 300 - 400点から始めて 900点前後をめざしている(もちろん、このレベルに到達すると、TOEIC の点数にはあまり価値を見出せなくなると思われる)。



僕の場合、英語を読む・聴くについてはかなりの量をこなしてきて、文法についてもそれなりに力はあると(勝手に)思っているのが、いざ書く、あるいは話すとなると、まったく思うようにできない。この本によれば、そういう人は多いのだと言う。TOEIC 900 点以上で「基底能力」はあったとしても、「駆使能力」がないので話せないという人は結構いるらしい。インプット重視でアウトプットをやってこなかったのだから、そのための「回路」ができていない。その回路養成のトレーニング方法として、この本で提案されているのが「瞬間英作文」である。中学校レベルの平易な英作文を、頭の中で瞬間的に実施する。これを大量にやることで「英語アウトプット回路」を形成していく。

「英語を話す=瞬間英作文」というのは『英語は「やさしく、たくさん」』でも提唱されている。そして易しい英語をたくさん話して、書くというメソッドも共通している。

以前、英語のアウトプット力を磨きたいのだが、四苦八苦している状況を紹介したことがある。大学受験レベルの基本構文集や、英作文の問題集へ取り組んできたわけだが、もっと易しいものに変えてみようと思う。頭の中で瞬間的に文を構成し、それを口に出せるよう、「やさしく、たくさん」瞬間英作文をやってみようと思う。

この本でもう一つ参考になったのは語彙増強(ボキャビル)である。今まで英文を読み流す中で自然に単語を身につけてきた訳だが、もっと意識的・計画的にボキャビルに乗り出す時機があるのだという。それが5,000語というレベルである。ここからは自然なボキャビルに任せずに、自分の知らない単語が 35% - 60% 掲載されている単語集を選んで、1,000語くらいづつ段階的に語彙を増強することを勧めている。この計画的なボキャビルにより 12,000 - 13,000語を習得すれば、ペーパーバックを辞書なしで読めるようになり、英文読書が楽になるという。

自分の語彙力がどのくらいあるかについては、アルクのサイトでレベル別に選定されている英単語リストを確認することで簡単なチェックができる。このリストをざっと見る限り、僕の語彙力は 7,000-8,000語というところ。しかもこの10数年頭打ちの状態である。洋書や The Economist のような英文雑誌を、できるだけ辞書を引くことなく、気楽に読めるようになりたい。そのために単語集を使った意識的なボキャビルを始めてみようと思う。

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