Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

海外出張の副作用:飛行機で映画鑑賞、帰国後有川浩を一気読み

最近は映画館に足を運ぶこともめっきり少なくなった。そのため海外出張の往復の飛行機で映画を観るのが楽しみだ。公開したばかりのものが観られるだけでなく、日本では公開されるかわからないものも観られるのが楽しい。今夏は 1ヶ月ちょっとの間に 3度海外出張をしたおかげで、かなりの本数の映画を楽しむことができた。

まずは洋画。「アジャストメント」はシリアスな SF サスペンスかと思っていたら、ラブロマンスであった。「エンジェルウォーズ」はストーリーがあってないようなもの。単にこういう映像を作りたかったということなのだろうか、コメントのしようがない。「アイ・アムナンバー4」と「マイティ・ソー」は、派手なアクション映画として素直に楽しんだ。アクション映画、特にアメコミ系は、バットマンX-Men などを第 1作からずっと観続けているが、「X-Men ファースト・ジェネレーション」は X-Men のルーツを辿るもので、非常に面白かった。原題の First Class は「最初の授業」という意味である。帰国してから X-Men 全シリーズをもう一度観たくなった。「アンノウン」は途中までしか見られなかったので、落ちが文字通りアンノウンのまま。「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」は例によって例のごとしの活劇。個人的には2作目以降をあまり評価しておらず、この4作目も同じである。"Water for Elephants" は見応えのあるドラマであり、象の演技がなかなかの見ものであった。"Limitless" は不幸な結末に終わるだろうという読みを裏切られた。

一方の邦画。「阪急電車」は原作の暖かな人情味が再現されている。中谷美紀が美しさが光る。「フレフレ少女」は主演女優のファンということでつい観てしまった。「小川の辺」は藤沢周平の世界の映像化である。

ことほど左様に、僕はアクション系とラブコメものが好きなのだ。

映画の「阪急電車」を観た影響で、帰国後、有川浩の原作を読み返してみた。ほのぼのとしたラブコメ・人情ものである。Facebook に感想を書いたら、有川浩の他の本も面白いというコメントがあり、それをきっかけにかなり集中的に読んでしまった。

まずは代表作である『図書館戦争』。最初は今の日本とは異なる近未来の設定と、特徴的な主人公たちの言動に戸惑ったが、それに慣れてしまうと全 4巻+別冊 2巻を一気読み。ちょうど全巻が文庫化されたばかりという幸運もあった。

自衛隊三部作『空の中』『海の底』『塩の街』(デビュー作)の中では、知的生命体との対話・交流を描いた『空の中』が気に入った。そしてこれらのサイドストーリーとも言えるラブコメものが『クジラの彼』であり『ラブコメ今昔』である。

より日常的な設定のドラマということでは『三匹のおっさん』、『フリーター、家を買う』、『県庁おもてなし課』がある。『フリーター』は冒頭が暗過ぎてついていけるかと思ったが、主人公があり得ないくらいに成長して(冒頭とのギャップはすごい)、最後は明るいハッピーエンドとなる。『県庁おもてなし課』は高知県庁を舞台にしたもの。民間の感覚とのギャップに最初は気づいてさえもいない行政が、どんどん変わっていく。人間の成長の小説でありながら、変化を好まない組織の変革とか、BtoC マーケティングとか、ビジネス書としても読めてしまう、元気が出る本である。

有川浩の世界は、アクションものとラブコメものの融合であり、まさに僕のツボにハマったと言えよう。

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

空の中 (角川文庫)

空の中 (角川文庫)

三匹のおっさん

三匹のおっさん

フリーター、家を買う。

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県庁おもてなし課

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