Muranaga's View

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新書で読む宇宙論

ブライアン・グリーン、ミチオ・カクなど海外の科学啓蒙書は、ストリング理論、多元宇宙論などをそれぞれ詳しく解説する。一方、日本の啓蒙書は、村山斉先生の『宇宙は何でできているのか』など、新書で最新宇宙論を概観する。新書なので通勤電車の中で気軽に読むことができ、海外の啓蒙書の導入にもなっている。

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

現代物理学の素晴らしい入門書である。素粒子物理学で解く宇宙の謎、という副題にある通り、宇宙を構成する物質、その最小単位である素粒子の理論、それによって導かれる宇宙論を駆け足で概観する。それは現代物理学の歴史概説でもあり、標準理論、超ひも理論など(小林益川理論も含む)最先端までを、わかり易い語り口で紹介する。

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

平易な現代宇宙論素粒子を扱った『宇宙は何でできているのか』の続編に相当する。「そうか、暗黒物質は原子でできているものじゃないんだ」と今更ながら再認識。暗黒物質の正体を見つけるべく、次元が空間の中に織り込まれている多次元世界が提案されている。そして宇宙の膨張を加速する暗黒エネルギーを説明するための多世界宇宙の導入。高度に進んだ物理学は、SF をも超えていく。最新の宇宙論は物理学者たちの荒唐無稽なつじつま合わせなのか、それとも新しい宇宙の姿への幕開けなのか?特定のモデルにとらわれることなく、提唱されている複数の学説を紹介する。何よりも薄いのがありがたい。

宇宙に外側はあるか (光文社新書)

宇宙に外側はあるか (光文社新書)

さまざまな宇宙論素粒子論がある中で、どれが正しいと認められているのか。有力ではあるがいまだ証明されていない理論は何か。宇宙論の発展がわかり易く解説される。

たとえば重力・強い力・弱い力・電磁気力を統一する万物理論として有力視された「ストリング理論 / M理論」についてはまだ結論が出ていない。最悪の場合、現実の宇宙とはまったく関係のない数学の理論に過ぎなかった可能性さえある。しかし非常に魅力に満ちた理論であり、30数年も優秀な研究者たちが取り組んでいる。この理論を宇宙論に応用したのが、「膜(ブレーン)宇宙論」であったり、高次元が折りたたまれている「時空のコンパクト化」であったりする。

本書の後半は「人間原理」や多世界宇宙論にページが割かれている。もはや「宇宙 = ユニバース」ではなく、少々奇怪にも思える「マルチバース」が真剣に論じられている時代なのだ。

宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く (光文社新書)

宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く (光文社新書)

ダークエネルギーを理論・観測両面から解説する。