Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

インド・バンガロール雑感

今年8月と10月、2回にわたってインドのバンガロールに出張した。特に 8月は初めてのインドだったので、日本との違いは一種のカルチャーショックだった。バンガロールはインドの中でも先進的な都市だし、滞在している間はホテルとオフィスの間しか往復していないにもかかわらず、である。ホテルとオフィスにいる限りは先進国。その点と点を結ぶ線、つまり車に乗っている間に見える光景は新興国。実際のところ、『河童が覗いたインド』や中谷美紀インド旅行記』のようにインドを肌で感じた訳ではない。車に乗って外の光景を見ただけである。それでもそこから見える眺めは驚きの連続であった。いくつかメモしておく:

  • 人、人、人。車、車、車。オートリキシャ、バイク。
    • 道路はまるでレース場のようだ。車線は関係ない。少しでも隙間があれば割り込んで先に行こうとする。車間も狭く、接触ぎりぎりのところで交わしていく。
    • そのため常にクラクションを鳴らしている。邪魔だ、というだけではなく、ここにいるから気をつけてね、という意味でもあるらしい。
    • ぶつからないのが不思議なくらいだが、オートリキシャと車が接触して、運転手が互いに言い合いしているところも見た。道の真ん中で止めているからさらに渋滞を呼ぶ。保険は自分の分しかカバーしていないので、怪我したら損。互いに言い合うだけ言い合ったら別れるらしい。
    • 普通は空港に到着したところでホッとするのだが、ホテルに着くまでの車の中でも生きた心地がしなかった。高速走行している車線を向こうからバイクがやってきたり、歩行者が横切ったりするからだ。
    • スピードを落とすためにバンプが作ってあるし、「シケイン」もある。その度に急にブレーキを踏むので、軽く車酔い。
  • 裸の子供、地べたに死んだように寝ている人。犬、牛。ゴミの山。
    • 裸の子供が川で洗濯をしている。スラムはビニールシートがあるだけでもいいらしい。
    • 野良牛かと思ったらちゃんと持ち主がいるらしい。昼間は「放牧」されており、夜になると持ち主のところに帰るらしい。
    • 夜、激しい雨が降ったら、一面茶色の泥水と臭気にあふれた。ゴミがぷかぷか浮いている。
  • よく停電する。
    • 電力供給が安定しないのか、ホテルの電気がしばしば落ちる。2系統用意してあるのか、真っ暗にはならない。
    • 朝食を終えてエレベータに乗った途端、停電が起こり、しばらく真っ暗な中に閉じ込められた時はさすがに焦った。時間にしたらほんの数10秒のことだったと思うが…。
    • 同日、日本食レストランのあるビルのエレベータに乗ったら、そこでも閉じ込められた。こちらは停電ではなく容量オーバー。4人以上乗ると動かなくなる。手で強引にドアをこじ開けて脱出。
  • セキュリティ
    • ホテル、オフィスに必ずセキュリティチェックがあり、車の下を金属探知機でチェックすると同時に、トランクの中も調べられる。
    • 空港では銃を持った兵士が ID と航空券をチェック。それを持った人のみが空港内に入れる。
    • 出国のセキュリティでは、ゴルフボールを没収された。なぜかは不明。遊ばれたのか、金目のものということで徴収されたのか。こんなことだったらキャディーに上げてくればよかった。

『河童が覗いたインド』に聖なる河ガンガー、バラナシでの沐浴の話が出ている。ここで沐浴することが一生の夢という人が多い聖地とのことだが、同僚の一人は幼い時に親に連れられて沐浴をしたとのこと。忠実なベジタリアン

写真をいくつか載せておく:

交通事情、オートリキシャ、牛。

オフィスやホテルからの風景。

会社イベントでは、従業員がかわるがわるインド伝統の踊りや歌を紹介する。さながら文化祭のようだ。その若いエネルギーに脱帽。

美味しいインド料理。食べ過ぎるとスパイスでお腹をやられる。

美味しいインドビールとワイン。

ホテルで見かけるヤクルト。このおかげで(?)、お腹をこわさずに済んだ。

帰国便は幸運なことにアップグレードされたため、久しぶりに窓側の席に座った。B767 の翼。

僕はインドの表面しか見ていないが、妹尾河童中谷美紀は違う。その好奇心、バイタリティに脱帽する。

河童が覗いたインド (新潮文庫)

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インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)

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