2017年3月20日、国立新美術館開館直後の「ミュシャ展」に足を運ぶ。アール・ヌーヴォーの旗手というミュシャ(Mucha:チェコ語の発音は「ムハ」)が、パリで活躍した後は故郷に帰り、スラヴの1000年の歴史『スラヴ叙事詩』を描いていたこと、そしてその画風がパリ時代とは全然違うことに、衝撃を受けた。『スラヴ叙事詩』全20点が国外に出るのは初めてとのこと。うち5点が撮影可。かなりの人出だが、絵が大きいため、見てまわるにはそんなに支障なし。絵が大きいので離れて見ることになるが、そうすると解説の文字が小さ過ぎて読めない。離れたり近づいたりしながら、スケールの大きな絵をじっくり眺める。ロシア寄りの汎スラヴ主義、古典的な描画手法ということで、長年埋もれていたとのことだが、民衆一人一人の表情を描き出そうとしている。
ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ独立の歴史をあまり知らないのが残念。美しい図録を買ったので、あとでじっくり読むことにする。
パリでポスターなど商業的に成功した画家という華やかなイメージしかなかったミュシャが、故郷に帰り、スラヴ民族の歴史を描き、最後はナチスに捕まり獄死したことを、直前に放映されたNHKの特番で初めて知った。