Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

名宝の数々が一堂に集められた迫力の「京都・醍醐寺」展(サントリー美術館)

10月の3連休初日。いつものように美術館をはしごする。まず朝一番に、サントリー美術館で開催されている「京都・醍醐寺 真言密教の宇宙」展を訪れる。

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まず僕が心を惹かれたのは、醍醐寺開創時に造られた「如意輪観音坐像」(重要文化財)である。立てた右膝に肘をつき、顔を少し右に傾けている。その表情は少し笑みを浮かべたようで愛らしく優雅。これが一番最初に展示されている。

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快慶作の不動明王坐像(重要文化財)は忿怒相でありながら、どこか気品がある。そして、五大明王像(重要文化財)も迫力十分。実は、大威徳明王が乗っている牛の表情が、ゆるキャラみたいで可愛らしく感じた。

何と言っても圧巻は、上醍醐薬師堂の本尊である「薬師如来および両脇侍像(りょうきょうじぞう)」(国宝)である。大きくどっしりした薬師如来奈良の大仏を思わせるような大きな頭部と肉付きのよい体躯。その両脇にはスレンダーな日光菩薩月光菩薩が控えている。何度もサントリー美術館には来ているが、これほどまでに大きな展示は今までであっただろうか?

時の天皇・為政者が次々に帰依した醍醐寺。一度は行ってみたいお寺であるが、上醍醐までは下醍醐から山道を一時間登ることになり、なかなか足を運びにくい。ところが今回、都心・六本木の真ん中に、その名宝の数々が一堂に集められて、一時間足らずで観てまわることができる。充実の展覧会である。

昼食の後、山種美術館「日本画の挑戦者たち」展に向かう。最近のお決まりのコースである。横山大観菱田春草小林古径速水御舟…。お馴染みの日本画家たちの優美な絵を堪能する。今回、個人的に心が引きつけられた絵は、岩橋英遠(いわはし えいえん)による『暎』である。

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因みに昼食はミッドタウンの HARBS にて。秋刀魚とキノコのパスタはボリュームがあった。栗のミルクレープと共に。

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