Muranaga's View

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相変わらず人気が高い「東山魁夷展」、生誕110年の展覧会(国立新美術館)

ボルボ V60 を試乗、想定以上の時間、セールスに捕まってしまったが、ランチを食べてから、六本木に向かう。国立新美術館で開催されている「生誕110年 東山魁夷展」を観に行くのだ。国民的人気を誇る画家であり、会場は結構混んでいた。青や緑を多用した日本人の心象に訴える風景画の数々が並ぶ。

東山魁夷展
東山魁夷展(国立新美術館

僕が大学生の時に国立近代美術館で開催された東山魁夷展も大混雑で、入場するまでに長蛇の列が出来ていたことを覚えている。図録に掲載されている年譜によると、それは 1981年のこと(東山魁夷 73歳)。あれから 40年近く経ても「国民的風景画家」と言われる人気は変わらないということなのだろう。日本中を写生して回って描かれた、静かな佇まいの心象の風景画は、戦後・高度成長期の日本人の心情にマッチした絵だったのかもしれない。

そしてちょうどこの頃奉納された絵が、今回の展覧会の目玉である唐招提寺御影堂の障壁画であり、再現展示されている。大きな襖絵には圧倒的な迫力がある。御影堂の修復工事により、今後 7年間は見られないそうだ。東山魁夷は10年以上をかけて、この障壁画を完成させた。第一期の「山雲(さんうん)」「濤声(とうせい)」は色鮮やかに描かれている。

そして第二期は中国の壮大な風景を、墨一色で描いている。油絵のように絵具を塗り重ねていた東山魁夷が、水墨画に回帰していったのは興味深い。

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