週末金曜日、会社帰りに森アーツセンターギャラリーで開催されている「新・北斎展」に行く。会場に着いた途端に、単眼鏡を持ってこなかったことに気づく。昨日の定期券に続いての忘れ物。結構混んでいて、離れて観ざるを得ない状況もあったので、単眼鏡を置いてきたのは失敗だった。
今回の展示会は「新・北斎」”Hokusei Updated" と名付けられている。日本有数の北斎研究家・収集家であった永田生慈氏監修によるもの(残念ながら 2018年2月に逝去)で、島根美術館にそのコレクションを寄付する前に、この展示会が開催された。今回の展示作品の数は 480。展示替えもあるので、300 以上もの作品を一度に観ることができる。圧巻のボリュームの錦絵や肉筆の作品が、年代順に並べられている。
春朗、宗理、葛飾北斎、戴斗、為一、画狂老人卍…。常に新しい画業を追求する北斎は、名前を変えるとともに画風をアップデートし続けている。今までの名声に固執することなく、その名と共に画風を捨てる…。まさに自己を否定し、破壊し続けるイノベーションの人であり、最期まで画技を希求し続けた。今回、その最晩年、絶筆に近いとされる肉筆の「富士越龍図」や「雲龍図」を観ることができた。
北斎に圧倒された後、高層の森ビルから見る夜景も美しく感じた。
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