「令和」という新元号は、万葉集から発案されたそうだ。万葉集と言えば、中学・高校時代の古文の勉強にまでさかのぼることになる。古今和歌集や新古今和歌集と比べて、素朴な万葉集の歌に魅かれたのを思い出す。残念ながら、僕にはそれくらいの思い出しかない。
一方、短歌を詠む父は、会社生活引退後は長年、万葉集の勉強をしており、移り住んだ町で「万葉の会」という勉強会の講師をしている。その地で「万葉集注釈」を完成させた仙覚律師に因み、『万葉うためぐり』という本を、小川靖彦先生(青山学院大学)と共に出版した。町おこしの一環である。万葉集に因んだ今回の「令和」改元を何より喜んでいる。
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さて単なるミーハーな僕は、元号の発案者とされる中西進先生の著書から、「令和」のもととなった歌と序を探してみたくなった。『万葉集全訳 注原文付(一)』の P.377 に、その歌「巻五 梅花の歌三十二首併せて序」が載っており、次のように訳されている。「時あたかも新春の好き月(よきつき)、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」
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しばらく万葉集はブームになるだろう。もし僕が父のように、万葉集を学ぼうと言う気になった時には、小川先生や中西先生による入門書、そして万葉集の時代背景を詳しく記した事典が役に立ちそうだ。備忘のためにメモしておく。
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