実は東京都庭園美術館に行ったことがなかった。わりと現代美術系が多くて自分の興味を引く展覧会が少なかったからかもしれない。今回はエコール・ド・パリ(「パリ派」)の「キスリング展」ということで、初めて庭園美術館に出かけることとなった。
新緑の美しい庭園は、西洋庭園と日本庭園に分かれている。その森の中に庭園美術館のアイボリーホワイトの建物が映える。




ちょうど「ブラタモリ」の白金の回で、庭園美術館が紹介されたばかり。本館は朝香宮邸、吉田首相の時代に公邸として使われたこともある。洋館なのに狛犬がいるというのも面白い。
アール・デコ様式の立派な部屋、漆喰の天井やルネ・ラリックのガラスの装飾、壁絵、家具を見ながら、展覧会を見て回る。キスリングの絵との距離が近い。その絵の具を盛り上げるタッチを至近距離で確認することができる。画面いっぱいに描かれた花の絵や、物憂げな表情を浮かべた人物画に惹かれる。一時期、セザンヌの画法に凝っていたとのことで、セザンヌを思わせる構成・色使いの静物画も面白かった。しかしその魅力は何といっても明るく美しい色使いだろう。あっという間に魅了されてしまった。思わず同じく美術館巡りをする友人に「キスリング展、7月7日までだよ」とメッセージを送ったら、「7月1日に行ってきました!建物も素晴らしいですね」とすぐに返ってきた。さすが、お目が高い。
ランチは目黒駅ビル、アトレにある TO THE HERBS にて。大きな窓から外を見渡せる。目黒駅でありながら、住所は品川区上大崎なんだよなー、と思いながらの一枚。

