Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

ドライブ気分で「リアル(写実)のゆくえ」「けずる絵、ひっかく絵」展、そしてランチ(平塚市美術館)

湘南へのドライブも兼ねて、平塚市美術館の「リアル(写実)のゆくえ」展を観に行く。NHK の「日曜美術館 アートシーン」で紹介されていて、面白そうと感じたから。買ったばかりの新しい靴でのお出かけは、ちょっと心が弾む。

入り口では鉄製のイグアナが出迎えてくれる。NHKの番組ではこれが本物のように動いていた。

本郷真也《盈虚 ―鐵自在イグアナ》

油彩で立体的に芝生を描いた絵。

本田健《夏草(芝棟の土)》

アクリル絵具と樹脂を何度も塗り重ねて、まさに立体として描く金魚。

深堀隆介《桜升 命名 淡紅》

こういった現代作家だけでなく、高橋由一の写実的な油彩や、生人形も展示されている。展覧会のポスターにもなっている、安本亀八の相撲を取る生人形はパーツのみの展示でちょっと残念。5月10日以降の後期展示で、組み立てた完成形は見ることができる。ここまでリアルな人形になると、彫刻の一種と感じられる。

同時開催の「けずる絵、ひっかく絵」展も見る。岡村桂三郎(1958 -)は作品の土台となる杉板をバーナーで焼き、炭化した部分を水で擦り洗いしてから天然岩絵具の方解末(ほうかいまつ)を薄く何度も塗り重ね、最後に黄土を塗って下地を作る。その上に木炭でデッサンをして、巨大な画面を直接スクレーパーで線刻する。

岡村桂三郎《百眼の魚 18-1》

藤沢市生まれの山内若菜(1977 -)は、和紙を何重にも貼り重ねて支持体とし、それを濡らし、削り、揉んで複雑な皺を作ると、そこに炭や胡粉、水干絵具を塗って布で画面を拭き取り、水で洗い、乾いたところをナイフや紙ヤスリで削り、手で擦り破るという方法で作品を作っている。

山内若菜《天空 昇》《刻の川 揺》《牧場 放》

平塚市美術館へドライブする楽しみの一つは、レストランカフェ「ラ パレット」でのランチである。正月に来た時はクローズしていたが、営業を再開していて嬉しい。

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