日本語で読めるクラウド・コンピューティングの本としては、『クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった』と、『クラウド化する世界』の2冊がよい。
電力がユーティリティ化する歴史をひもときながら、計算機資源がスイッチ一つ押すだけで手に入るようになるユーティリティ・コンピューティングの世界を描いたのが『クラウド化する世界』(原題:The Big Switch: Rewiring the World, from Edison to Google)。
そして2008年末時点でのクラウド・コンピューティングの状況・取り巻く環境を、非常によくまとめているのが『クラウドの衝撃』である。クラウド提供者として Amazon Web Services (AWS) や Salesforce、Google AppEngine、Microsoft の「ソフトウェア+サービス」戦略、IBM や AT&T の取り組み、Oracle と Amazon の協業などが紹介される。そしてクラウドの利用例として、New York Times のアーカイヴに Amazon EC2/S3 と Hadoop が使われていること、Adobe AIR と Amazon S3 により NASDAQ の市場再現が実現されていること、AWS や Salesforce の周囲に新たなエコシステムができつつあることが記されている。
このような商用のクラウド・コンピューティング、SaaS (Software as a Service) を俯瞰できる下記の表が ZDNet の Handicapping cloud computing: The big picture という記事に掲載されている。
クラウド・コンピューティングに関するエントリ
- 2009.2.20:クラウド・コンピューティングについて、技術者が知っておくべきこと --- 「クラウドを超えて(Above the Clouds)」
- 2009.2.20:クラウド・コンピューティングについて、ビジネスマンが知っておくべきこと --- The Economist: 企業 IT 特集
- 2009.3.5:「クラウドを超えて」("Above the Clouds")を読んで
- 2009.3.6:『クラウドの衝撃』、『クラウド化する世界』(The Big Switch)
- 2009.3.17:クラウド・コンピューティング --- The Economist:「企業 IT 特集」を読む ---