Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

Book

安宅和人「知性の核心は知覚にある」:ファーストハンド、ハンズオンの経験を重視する

安宅和人さんがベストセラー『イシューからはじめよ』で次のようなことを述べていた。 一次情報を死守せよ。それを自分なりに感じよ。 現場でどこまで深みのある情報をつかめるかは、その人の判断尺度・メタレベルのフレームワークの構築力が問われる。ここ…

安宅和人『イシューからはじめよ』:重要な課題から取り組み、根性論に逃げないことを説く

「適切な課題を見つけるのが、プロフェッショナル」という話を聞いて、思わず「そうだよなぁ」とうなずく。目の前に問題が生じると、すぐに解決し始めようとする僕自身を改めて反省する。そこで改めて読み直した本がある。安宅和人『イシューからはじめよ』…

日本画コンテスト「Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 未来をになう日本画新世代」展

「みんなのミュシャ」展から少し足を伸ばして、山種美術館の「Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 ―未来をになう日本画新世代―」展に行く。「青い日記帳」で紹介されているように、45歳以下の若手の日本画家たちのガチンコのコンテストである。www.yamatan…

ミュシャの後世への影響を伝える「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ --- 線の魔術」展

渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ --- 線の魔術」展に出かける。 www.bunkamura.co.jp2017年に開催された「ミュシャ展」は、ベルエポックを代表するアルフォンス・ミュシャが、パリからチェコに帰…

上野の美術館巡り(2):「円山応挙から近代京都画壇へ」展(東京藝術大学大学美術館)

上野の美術館巡りは、国立西洋美術館の「松方コレクション展」から東京藝術大学大学美術館で開催されている「円山応挙から近代京都画壇へ」展へ。18世紀の京都で、円山応挙は「写生画」で一世を風靡し、円山派を確立した。中国の絵画や狩野派が主流の時代に…

上野の美術館巡り(1):国立西洋美術館「松方コレクション展」

国立西洋美術館で開催されている「松方コレクション展」に出かける。「松方コレクション」は、1896年に弱冠30歳の若さで川崎造船所の初代社長に就任した松方幸次郎が、1910-20年代にヨーロッパ各地で蒐集した美術品である。浮世絵約8,000点のほか、西洋絵画…

そごう美術館「北斎展」にて、『冨嶽三十六景』『富嶽百景』全作品をみる

横浜のそごう美術館で「北斎展」が開催されている。葛飾北斎の展覧会と言えば、今年の初めに行われた「新・北斎展」が圧倒的であったが、今回は複製画による展覧会であり、『冨嶽三十六景』全作品(ベロ藍を使った主版「表富士」36作品+墨で摺られた追加版…

眼鏡のレンズを新調した

久しぶりに高価な買い物をした。眼鏡のレンズだ。7年前に作ったデスクワーク用の眼鏡の度が合わなくなり、スマホの画面もわざわざ眼鏡を外して見ることがほとんどになった。Excel の細かい文字も眼鏡越しでは読むことができない。そんなこともあって、改めて…

重いボルタンスキー、美しい速水御舟

国立新美術館で開催されている「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」展を見る。まだご存命だが、大規模な回顧展であり、展覧会場そのものが、インスタレーションという位置づけになっている。展覧会の入り口には DEPART、出口には ARRIVE と表示されて…

「原三溪の美術 伝説の大コレクション」展を見る(横浜美術館)

横浜美術館で開催の「原三溪の美術 伝説の大コレクション」展を見る。本牧にある三溪園が好きでよく訪れているが、三渓園を開いたのが生糸貿易で財をなした実業家・原三溪(1868 - 1939)である。古美術の収集家、下村観山をはじめとする日本画家の支援者と…

目から鱗!『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』を読んで、絵画鑑賞の新たな視座を得る

絵画を理解するには、描かれた背景(美術史)、絵画の意味(モチーフやアトリビュートの意味)、造形(色・構図)について知る必要がある。秋田麻早子『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』は、造形について焦点を当てた本で、基本的なビジュアル・リテラシ…

東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」で、クリムトの美しい絵を堪能する

週末の金曜日。会社帰りに「クリムト展 ウィーンと日本 1900」(東京都美術館)に行く。平日にもかかわらず、チケットを買って入場するまで20分もかかるくらい並んでいた(チケット待ちで並んでいる間にオンライン・チケットを買えばよかった)。会場内も混…

『五感でわかる名画鑑賞術』にみる美術鑑賞の極意

西岡文彦『五感でわかる名画鑑賞術』は、『簡単すぎる名画鑑賞術』の続編に相当する。前作はタッチの変遷に焦点を当てた興味深い鑑賞ガイドとなっていたが、本作は著者自身の個人的な経験をふまえたエッセイの要素も持っている。五感でわかる名画鑑賞術 (ち…

美術鑑賞がますます楽しくなる『簡単すぎる名画鑑賞術』

『いちばんやさしい美術鑑賞』はアマチュアならではの鑑賞ガイドがわかりやすかったが、逆に美術のプロフェッショナルが、中学生にもわかる簡潔で明快な絵画の読み解き方を指南する本がある。西岡文彦『簡単すぎる名画鑑賞術』。題名の通り、とても分かりや…

恒例の人間ドック、今年は「みんなで筋肉体操」をして臨んでみたが…

毎年数値が悪化していくのが悲しい人間ドック。今年も受けてきた。今回は鼻からの胃カメラに加えて、肺CT、PSA、CA19-9、CEA マーカーをチェック。腎機能の低下、悪玉コレステロール、脂肪肝、石灰化、尿酸値などなど、要経過観察の項目はあるものの、幸い、…

『いちばんやさしい美術鑑賞』はアマチュアならではの視点がわかりやすい

年間300もの展覧会を観て、「青い日記帳」を毎日書くカリスマ・ブロガー Tak さんこと、中村剛士さんによる美術鑑賞の入門書が『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)である。玄人はだしでありながら、アマチュアならではの鑑賞ガイドがわかり易い。時…

令和最初の美術鑑賞は、国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」

令和最初の美術鑑賞は、国立新美術館で開催されている「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展。あまり予備知識なく出かけたのだが、行ってみると19世紀から20世紀にかけてのウィーンの歴史、社会、文化、風俗を俯瞰することのできる大変興味…

今さらながら、エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)を学んでいる

諸般の事情から、エンタープライズ・アーキテクチャ(Enterprise Architecture, EA)を、今さらながら学んでいる。10数年前、2000年代中頃に流行った IT 戦略策定のフレームワークである。もともと僕は、ERP のような企業内の基幹系情報システムよりも、Web …

「ラファエル前派の軌跡」を辿り(三菱一号館美術館)、その第二世代にあたるウィリアム・モリスの壁紙を鑑賞する(そごう美術館)

19世紀、ラファエロを模範とする英国ロイヤルアカデミーへのアンチテーゼとして生まれた「ラファエル前派」。ラファエロより前の初期イタリア・ルネサンスの画家に倣った細密な描写を特徴とする。その支持者であるラスキンの素描と、ラファエル前派の主要な…

万葉集と言えば…

「令和」という新元号は、万葉集から発案されたそうだ。万葉集と言えば、中学・高校時代の古文の勉強にまでさかのぼることになる。古今和歌集や新古今和歌集と比べて、素朴な万葉集の歌に魅かれたのを思い出す。残念ながら、僕にはそれくらいの思い出しかな…

上手すぎる!幕末から明治の奇想絵師「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展(サントリー美術館)

2月22日、「奇想の系譜展」(東京都美術館)に続いて、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展(サントリー美術館)を観た。前日の葛飾北斎に始まって、江戸時代、そして明治にかけての超個性的な絵師の作品ばかりを見て、結構「お腹いっぱい」になったとい…

念願の「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」(東京都美術館)に行ってきた

念願の「奇想の系譜展」を観に、東京都美術館に行ってきた。期待以上に、見応え十分。 辻惟雄先生が『奇想の系譜』で紹介し、それを契機に日本でも改めて評価された画家たち、すなわち岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳、白隠、…

圧巻のボリュームの作品が年代順に展示されている「新・北斎展」(森アーツセンターギャラリー)

週末金曜日、会社帰りに森アーツセンターギャラリーで開催されている「新・北斎展」に行く。会場に着いた途端に、単眼鏡を持ってこなかったことに気づく。昨日の定期券に続いての忘れ物。結構混んでいて、離れて観ざるを得ない状況もあったので、単眼鏡を置…

「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」(東京都美術館)に行きたい!

雑誌読み放題サービスの無料お試しで、「サライ」最新号を読んだ。東京都美術館で2019年2月9日から開催されている「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」が特集されている(「美術手帖」による紹介記事)。辻惟雄『奇想の系譜』(1970年初版)により、そ…

雑誌読み放題サービスは便利だけれど、危険でもある

月額 300-400円で雑誌読み放題の時代になっていることに、最近まで気づかず、相変わらず最寄り駅の本屋で雑誌を立ち読みしていた。迂闊だった。雑誌読み放題サービスの比較記事(たとえば applio や XERA )を参考に、まずは1ヶ月の無料お試しをやってみる…

痩せるために「みんなで筋肉体操」をやってみよう

去年の8月、深夜に放送された NHK 「みんなで筋肉体操」は、マッチョな三人の男(俳優、弁護士、北欧系の庭師)がひたすら筋トレを行うシュールな画面が話題を呼んだ。この番組を監修・指導したのは谷本先生。その印象的な逆三角形の上半身。「あと5秒しかで…

新しい花粉症の薬を試すか、ビタミン D を摂取するか

1月末、そろそろ花粉が飛び始めているのを、わが花粉センサーである目が感じ取っている。20代半ばの頃からだから、もう 30年以上、花粉症に悩まされ、毎年この時期は抗ヒスタミン剤のお世話になっている。20年近く、あまり深く考えずに、鼻水を止めてくれる…

バロックの巨匠の構想と技術に圧倒される「ルーベンス展」(国立西洋美術館)

上野の国立西洋美術館で、バロック美術の巨匠、「王の画家にして、画家の王」と呼ばれたルーベンス(1577-1640)の史上最大級の展覧会「ルーベンス展」が開催されている。フランドルの宮廷画家であるが、若き日にイタリアに滞在して、古代ローマやルネサンス…

無名の絵師、小原古邨の花鳥木版画の世界(茅ヶ崎市美術館)

三連休最後の朝は、サザンオールスターズを聴きながら、愛車で茅ヶ崎をめざす。前日のNHK「日曜美術館」で、日本では無名の絵師、小原古邨(おはら こそん)が紹介されたが、その展覧会「小原古邨展 花と鳥のエデン」が茅ヶ崎市美術館で開催されているのであ…

「メディアマーカー」が終了するのに伴い、「ブクログ」へ 5,000件ものデータを移行した

2018年10月7日午後、個人的にかなりショッキングなニュースが飛び込んできた。読書録データベースである「メディアマーカー」(MediaMarker)サービスが来年の 1月に終了してしまうというのだ。Amazon からのデータ提供がされなくなり、サービスが続けられな…