Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Sun の徹底的にオープンなクラウド戦略

Sun のクラウド戦略で興味深いと僕が感じるのは、パブリック・クラウドとプライベート・クラウド両方を視野に入れ、それらをシームレスにつなごうとしていることである。 企業のファイアウォールの中から Sun のパブリック・クラウドを使える 徹底的にオープ…

思えばいつもそこに Sun の技術があった

3月18日に Sun Microsystems が発表したクラウド・コンピューティングの構想 "Sun Open Cloud Platform"(日本語)は、その数時間前に出た IBM による Sun の買収報道ですっかり影が薄くなってしまった。Sun Microsystems は、僕らの世代にとってはシリコン…

クルーグマンの新作『世界大不況からの脱出』『マクロ経済学』にみる英語圏とのタイムラグ

本屋に行くとクルーグマンの新作が2冊出ていたので早速購入。1冊目は『世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか』(原著:The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008)。1999年に出版された『世界大不況への警告』の改訂増補…

河口湖へ1泊2日の小旅行:富士湧水の里水族館、富士山レーダードーム館

あいにくの雨になったため、河口湖の近くにある屋内施設を巡る。忍野八海の近くにある山梨県立富士湧水の里水族館(「森の中の水族館。」)は、こじんまりとしているが、淡水魚の展示が工夫されていてなかなかのものである。水槽は二重になっていて外側・内…

河口湖へ1泊2日の小旅行:富士スバルランド・ドギーパーク、花水庭おおや

連休を利用した春休みの小旅行。3月になってから予約を試みたこともあり、箱根などの近場で適当な宿が見つからない。何とか見つけ出したのが河口湖。それでも連泊はできず、1泊2日の旅となる。東名高速で西に向かう。足柄サービスエリアにて富士山を望ん…

ティム・オライリー、「Web 2.0 とクラウド・コンピューティング」を語る --- ネットワーク外部性の観点より

The Economist のクラウド・コンピューティング特集とちょうど時期を同じくして、"What Is Web 2.0"(和訳)で Web 2.0 を提唱したティム・オライリー(Tim O'Reilly)が、「Web 2.0 とクラウド・コンピューティング」と題して、クラウド・コンピューティン…

「UNIX Magazine クラウド特集」、"Programming Amazon Web Services"、"S3 and Ec2 Cookbook"、"Web Architecture and Programming in the Cloud"、『仮想化大全』

「クラウドを超えて」("Above the Clouds")を読んで クラウド・コンピューティング --- The Economist:「企業 IT 特集」を読む --- この二つのクラウド・コンピューティングに関するエントリは、梅田望夫さんにブックマークしていただいたこともあって、…

新社長候補の決定

6月下旬の株主総会終了後の取締役会で選任されるわが社の新社長候補(現・副社長)の記者会見の様子を見た。彼の口から「ロバスト」という言葉が出るのを聞いて、「久しぶりに技術系の人が社長になるんだなぁ。」と感じた。日本のメディアで「ロバスト性」…

クラウド・コンピューティング --- The Economist:「企業 IT 特集」を読む ---

A special report on corporate IT "Let it rise", The Economist, October 25th 2008(クラウド・コンピューティング「企業 IT 特集」) 2ヶ月ほど前、社内でクラウド・コンピューティングを紹介する講演をしたところ、思いのほか好評であった。その時の講…

ウェスティンホテル東京 ザ・テラスのランチ・ブッフェ

身内のお祝いということで両親とともに、ウェスティンホテル東京の1階にあるレストラン、ザ・テラス(The Terrace)のランチ・ブッフェを食べる。3月に入って恒例の「オーストリア・フェア」が開催されている。名門ホテル・インペリアルのシェフが厨房から…

電機メーカーの本社ビルでワインを楽しむ

今週はソニー本社ビル「ソニーシティ」の1Fにある「エノテーカ イプリミ(I PRIMI)」で美味しいワインを御馳走になる。オレゴンの滑らかなピノノワールの後、ナパのカベルネ Rudd Crossroads 2005、最後はオーガニックな Faugeres Jadis 2002。木曜日とい…

スイス製機械式腕時計の世界

腕時計は、何も手間をかけずに正確な時を刻んでくれさえすればよい。僕の腕時計へのこだわりはその程度でしかないが、今日、スイスの機械式腕時計、Jaeger-LeCoultre(ジャガー・ルクルト)の話を聞いて、工芸品、あるいは美術品としての世界もあるのだなぁ…

「ソニーらしさ」とは?

昨日のソニーに関するエントリを読んだ友人から、 ストリンガー氏は海外経験の豊富な人、いわば自分がよくコミュニケートできる人を直下に持ってきた。逆に言えば、日本の社員とコミュニケーションが取れていないのではないか。 今後は「日本的・ソニー的や…

村上春樹の力強い言葉「僕はなぜエルサレムに行ったのか」

村上春樹がエルサレム賞を受賞、折も折、イスラエルがガザ地区に大規模な攻撃を行った後に授賞式に出かけ、「壁と卵」("Of Walls and Eggs")というスピーチを行ったことに対して、賛否両論があったことは記憶に新しい。「僕はなぜエルサレムに行ったのか」…

ソニー:ゲーム開始 --- 新体制で再生をめざす("Game on", The Economist)

"Game on" (The Economist, March 7th 2009) 翻訳(JB Press) ハワード・ストリンガー会長が、今までリストラを阻んできた中鉢社長を、ようやく辞めさせることができたので、これからは自らが主導して、ソニー変革をめざす。今までにできたのは、AIBO など…

はてなダイアリー利用者の統計情報がわかるブログ・パーツを追加

このブログのデザインを少し変更した。写真を入れ替えただけでなく、はてなダイアリー利用者の統計情報を集計するブログ・パーツ TopHatenar を導入した。これははてなダイアリーの RSS フィードの購読者数と、ソーシャルブックマーク(はてブ)数を集計する…

石田晴久先生の訃報に接し、K&R を本棚から取り出してみる

昨日、石田晴久先生が亡くなった(訃報)。大学で直接教えを受けたことはないが、K&R (カーニハン & リッチー)による『プログラミング言語C』の翻訳者としてお世話になった。先生は C 言語に代表される Unix の文化、Unix プログラミング環境を日本に紹介…

またしても荒唐無稽なファンタジィ:万城目学『プリンセス・トヨトミ』

「このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。」衝撃的な書き出しで始まる荒唐無稽なファンタジィが、またしても万城目学によって放たれた。『プリンセス・トヨトミ』である。今回は鬼は出てこないし、鹿もしゃべ…

iPhone の CM で駅探アプリがフィーチャーされ、隠し機能(?)を教わる

iPhone のアプリケーションを紹介するテレビ CM の一つで、駅探のアプリである「駅探エキスプレス for iPhone / iPod touch」が取上げられている。この映像を見て初めて、「乗り換え検索結果を横画面で見る」ことができることに気づいた。さらに駅探の社長か…

iPhone と iPod touch 向けに Kindle アプリケーションが出た

「Kindle が欲しい」とか、 「Kindle を待つまでもない、iPod touch で十分行ける」などと言っている中、何と Kindle for iPhone and iPod touch が米国の App Store で入手できるようになった(CNET Japan 記事)。しかも無料である(画面イメージ)。日本…

『クラウドの衝撃』、『クラウド化する世界』(The Big Switch)

日本語で読めるクラウド・コンピューティングの本としては、『クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった』と、『クラウド化する世界』の2冊がよい。 電力がユーティリティ化する歴史をひもときながら、計算機資源がスイッチ一つ押すだけで手に入る…

「クラウドを超えて」("Above the Clouds")を読んで

計算機科学やインターネットの技術者にとって、一度は目を通すべき white paper として紹介した UC Berkeley RAD の「クラウドを超えて」--- "Above the Clouds: A Berkeley View of Cloud Computing"(同 PDF 版)を読んで、その章立てと、それぞれにどんな…

カリスマ経営者に見る経営の普遍性

大手出版社グループの電子メディア系関連会社の社外取締役を務めていたが、2月末日で退任した。この会社の取締役会は、出版社グループの総帥であるカリスマ的な会長と同席できる貴重な機会であり、会長の取締役会での発言、指示、フォローアップを目の当た…

「今井屋本店」の比内地鶏を堪能する

ずっと一緒に仕事をしてきた経営企画スタッフが異動したので、その歓送会を「今井屋本店」の丸ビル店である東京今井屋本店にて開催、比内地鶏を堪能する。レバー、ねぎま、抱身、肉厚の椎茸、手ごねつくねの串の後は、薄く切った鶏肉のしゃぶしゃぶ。インタ…

「製造業崩壊」("The collapse of manufacturing"、The Economist)

"The collapse of manufacturing" (The Economist, February 21st 2009) JB Press の翻訳 最近の日本のビジネス週刊誌は「電機全滅」「建設焦土」と言ったショッキングなタイトルを並べているが、天下の The Economist の表紙にも、"The collapse of manufac…

高尾霊園で法事

高尾霊園で四十九日の法事。高乗寺で開眼供養、納骨。般若心経(京都の苔寺・西芳寺で写経したことがある)と、修証儀(しゅしょうぎ)第五章行事報恩を、僧侶と一緒に唱える。この一節にある「身命は露よりも脆し」ということばを引き合いに出して、「今と…

アヴァンシアでの最後のロングドライブ

高尾霊園で法事。横浜の自宅からは電車で行く方が便利だが、僕だけは一人、愛車 アヴァンシア・ヌーベルバーグで出発する。これがアヴァンシアでの最後のロングドライブとなるのだ。感謝を込めてドライビングの感触を確認しながら運転する。行きは中央高速を…