Muranaga's View

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現代の叡智へのインタビュー『知の逆転』

いやぁ、凄いメンツにインタビューしたものだ。『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』のジャレド・ダイアモンド, 生成文法ノーム・チョムスキー, 『レナードの朝』のオリバー・サックス, 人工知能の大家、『心の社会』のマービン・ミンスキー, インターネットを陰で支えているコンテンツ配信 Akamai のトム・レイトン, DNA の二重らせん構造を明らかにしたジェームズ・ワトソン。現代の叡智、知の巨人たち。

どの話も傾聴に値する。チョムスキーの主張は激しい。ワトソンも歯に衣着せない(その中にあって利根川進博士を褒めているのは、インタビュアが利根川夫人ということもあるのかしらん)。細胞についてはほぼわかったが、脳や記憶の解明についてはまだ100年はかかると言っている。ミンスキーは相変わらず、三歳児の知能を作って成長させることの大切さを説いている。AIはその時々の流行に研究が集中しがち(統計学の手法を使ったり、かつてはニューラルネットであったり)だが、それに流されず長期的な研究の重要性を説く。

その中にあって MIT レイトン教授の話が、Akamai 創業から成長への裏話が聞けて、個人的には面白かった。インターネットのトラフィック増大を陰で支える Akamai の技術は、数学的な裏づけがあり、なかなか競争相手は勝てなさそうだ。

知の逆転 (NHK出版新書)

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