2022年10月、静嘉堂文庫美術館が丸の内・明治生命館に移転した。愛称は「静嘉堂@丸の内」。世田谷区岡本にあった時より、格段に交通の便がよくなった。開館記念展覧会「響きあう名宝 ―曜変・琳派のかがやき―」では、曜変天目をはじめ、国宝7件を含む数々の至宝が展示されている(前期・後期で展示替えあり)。
Web サイトから、展覧会の概要を示す文章を引用する:
創設130周年を迎える静嘉堂は、美術館のギャラリーを世田谷岡本の地から、丸の内の重要文化財建築、明治生命館(昭和9年〈1934〉竣工)1階へ移転いたしました。 開館記念展第1弾となる本展では、静嘉堂が所蔵する全ての国宝を始め、茶道具・琳派作品・中国書画や陶磁器・刀剣などの選りすぐりの名宝を、新たな建築空間に合わせ4つのテーマで展観するものです。
昭和初期の代表的な近代洋風建築の、大理石を多用した重厚な建築美の中、高い天窓から自然光が差し込むホワイエを取り囲むように向き合う4つの展示室で、作品は数百年の歴史ある輝きを放ちながら互いの美を響かせあい、皆さまをお迎えいたします。 明治20年代の半ば、静嘉堂創始者の岩﨑彌之助は丸の内で三菱のオフィスビル街建設を進めながら、その一角に「ミュージアム」なるものを造りたいと願いました。100年を超える創立者の夢が今、花開きます。
岩崎彌之助、小彌太の父子によって蒐集された文化財の数々は、中国の青磁・天目茶碗、絵、書と多岐にわたり、さらにはきらびやかな琳派の絵・工芸品も展示されている。源氏物語の一場面を描いた俵屋宗達の屏風、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一の絵が並ぶ。
至宝の由来・解説を読むために、図録を購入。展覧会で目にした茶道具が、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの手を経てきたことを知ると、感慨深い。
南宋で一時期作られた曜変天目茶碗は、世界にも3点つしか現存しておらず、そのすべては日本にあり国宝となっている。静嘉堂にあるものはその一つで、稲葉天目と言われている。
開館記念ということで、かなり「大判振る舞い」の展覧会であり、目の保養になる。