Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

Museum

やはり凄いとしか言いようがない「ガウディとサグラダ・ファミリア展」(東京国立近代美術館)

東京国立近代美術館で開催されている「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に出かける。建設が始まってから 140年経った今も未完成なサグラダ・ファミリアが、いよいよ最終段階を迎えるとのことで、それを紹介する展覧会である。 遠いスペインで何だか凄い建…

「霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展」にて、気配を感じさせるリアルな彫刻を見る(そごう美術館)

そごう美術館の「霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展」(PDF 鑑賞ガイド)に出かける。 主に動物、それも実在するだけでなく架空の動物をモチーフに、リアルな彫刻群が並ぶ。現代アートとは少し距離を置き、独自性を追求した作品であると感じる。 大森暁生《月…

ついに木島櫻谷の《寒月》に会えた(泉屋博古美術館東京)

絶対に一度は実物を見たかった絵がある。それは木島櫻谷このしまおうこくの《寒月》である。 泉屋博古美術館東京にて「特別展 木島櫻谷 ― 山水夢中」が開催されており、《寒月》は 6月3日から18日までの期間限定展示となっている。6月3日初日にいそいそと出…

吹きガラス工芸の凄技を目の当たりにする(サントリー美術館)

国立新美術館から東京ミッドタウンに戻ってランチ。久しぶりに HARBS のミルクレープを味わう。 muranaga.hatenablog.com そしてサントリー美術館の「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」展に出かける。軽い気持ちで訪れた展覧会だったが、これがなかなか目を…

さまざまな愛のかたちが示される「ルーヴル美術館展 愛を描く」(国立新美術館)

ルーヴル美術館から愛をテーマにした絵画が来日している。国立新美術館で開催されている「ルーヴル美術館展 愛を描く」。 www.ntv.co.jp Web サイトにある展覧会の概要を引用する: ルーヴルが誇る珠玉の“愛”の絵画が一堂に! 人間の根源的な感情である「愛…

「重要文化財の秘密」を知る(東京国立近代美術館)

連休の最終日は、東京国立近代美術館 70周年を記念して開催されている展覧会「重要文化財の秘密」に行く。 明治以降の近代美術作品が初めて重要文化財に指定されたのは 1955年。現在、国指定の重要文化財は 10,872件あるが、明治以降の絵画・工芸・彫刻に限…

「土門拳の古寺巡礼」展で、クローズアップされた仏像の表情に魅せられる(東京都写真美術館)

東京都写真美術館で開催されている「土門拳の古寺巡礼」展に足を運ぶ。土門拳のライフワーク『古寺巡礼』刊行から 60年を記念して開催されている展覧会である。 室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像左半面相 室生寺金堂 薬師如来立像、十一面観音立像、十二神将立像 …

日本国内所蔵の作品が多い「憧憬の地 ブルターニュ」展(国立西洋美術館)

雨の博物館・美術館巡り。国立東京博物館(トーハク)の「特別展 東福寺」をあとにして、国立西洋美術館で開催されている「憧憬の地 ブルターニュ」展を見に行く。 bretagne2023.jp muranaga.hatenablog.com 奇しくも同じ時期に SOMPO美術館でもブルターニュ…

仏教芸術の宝庫である大伽藍と、忘れられた画聖・明兆の魅力をあますところなく伝える「特別展 東福寺」(東京国立博物館)

週末はあいにくの雨だが、花見の人出も落ち着いたと思われる上野へ、博物館・美術館巡りに出かける。 まずは東京国立博物館、トーハクの「特別展 東福寺」へ。正直、東福寺が凄い仏教美術の宝庫だとは知らなかったのだが、BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」…

特別展「富士と桜 ―北斎の富士から土牛の桜まで―」(山種美術館)

日本を代表する山と花、富士山と桜をテーマにした日本画の展覧会に足を運ぶ。山種美術館で開催されている特別展「富士と桜 ―北斎の富士から土牛の桜まで―」である。Web サイトにある展覧会の概要を引用する。 富士山は古くから、さまざまな芸術の源泉となっ…

「ブルターニュの光と風」展を訪れ、ポン=タヴァン派・ナビ派の歴史を学ぶ(SOMPO美術館)

フランスの北西部に位置するブルターニュ。ワイン好きな人にはお馴染みのブルゴーニュと間違いそうだが、そうではなく、ブルターニュ。フランス語だとブリテンを意味する。ブルターニュは古のケルト文化を残す地方で、画家たちのインスピレーションを掻き立…

サントリー美術館の年間会員を更新

サントリー美術館の年間会員を更新し、ついでに展示替えされた「没後190年 木米」展を再訪した。 muranaga.hatenablog.com サントリー美術館のメンバーズクラブは、年会費 6,000円で、本人+同伴者1名 が何度でも入館できる。展示替えの前後で複数回、同じ展…

「没後190年 木米」展で江戸時代後期の文人の活躍を知る(サントリー美術館)

江戸時代後期に京都で活躍した陶工であり画家でもある文人、木米の展覧会「没後190年 木米」を見に、サントリー美術館へ出かける。 正直、木米についてはほぼ初めて聞く名前である。本名、青木八十八。そこから木米を名乗ったという。Webサイトから展覧会の…

湘南をドライブして美術館カフェへ:「湘南を描く 入江観展」(茅ケ崎市美術館)

ふと思い立って、湘南をドライブ。茅ヶ崎市美術館のカフェ「ルシュマン」にランチを食べに行く。NHK「アートシーン」で茅ヶ崎市美術館の「湘南を描く 入江観展」が紹介され、数ヶ月前にこのカフェで食べた個性的なランチプレートを、もう一度食べたくなった…

2023年初の美術館巡りは、サントリー美術館から山種美術館へ。国宝の障壁画・日本の風景画を楽しむ

大晦日・元旦は老親と過ごし、2日、3日は箱根駅伝を見ながらの寝正月。体重もだいぶ増えたので、4日から活動を開始する。 2023年初の美術館巡りは、サントリー美術館「京都・智積院の名宝」展から、山種美術館「日本の風景を描く」展へ。 「京都智積院の名宝…

ところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアムで、ゴッホと本の世界に入り込む

早朝、ゴルフ場に忘れ物を取りに行った帰りに、ところざわサクラタウンまで足を伸ばし、角川武蔵野ミュージアムを訪ねる。関越自動車道の所沢インターから 10分、あるいは JR武蔵野線東所沢駅から徒歩 10分のところにある。 寒い。ミュージアムの開館は朝10…

国宝である長谷川等伯一派の障壁画が何枚も!「京都・智積院の名宝」展(サントリー美術館)

今年は静嘉堂文庫美術館、トーハクと国宝を見る機会が多かった。最後を飾るのは京都・智積院の門外不出の国宝、長谷川等伯一派の障壁画である。サントリー美術館にて、5点もの大きな絵が展示されていて、迫力満点である。 寺外では初の試みとして「楓図」「…

英国食文化の歴史を辿る「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」(SOMPO美術館)

学術資料としての精緻な写実性と、美しい芸術性が共存するボタニカル・アートが好きである。SOMPO美術館で開催されている「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」展は、英国キュー王立植物園の食用となる植物を描いたボタニカル・アートを…

すべてが国宝という展示に圧倒される特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」

週末の金曜日、少し早めに仕事を終えて、トーハク創立150周年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」へ足を運ぶ。入手できたチケットの入場時間は 16:30-17:30。東京文化会館で早めの夕食を済ませて、17時過ぎに会場に入る。指定時刻より 30分ほど入場…

「特別展 没後80年記念 竹内栖鳳」(山種美術館)

「静嘉堂@丸の内」を楽しんだ後は、山種美術館で開催されている「特別展 没後80年記念 竹内栖鳳」に足を運ぶ。美術館の Web サイトにある概要紹介を引用する: 近代京都画壇の中心的存在として活躍した竹内栖鳳(せいほう) (1864-1942)。栖鳳は、円山・四条…

静嘉堂文庫美術館が丸の内に移転、曜変天目をはじめ数々の至宝が展示されている(静嘉堂@丸の内)

2022年10月、静嘉堂文庫美術館が丸の内・明治生命館に移転した。愛称は「静嘉堂@丸の内」。世田谷区岡本にあった時より、格段に交通の便がよくなった。開館記念展覧会「響きあう名宝 ―曜変・琳派のかがやき―」では、曜変天目をはじめ、国宝7件を含む数々の…

友人の写真展、久しぶりのすみだ北斎美術館

両国・国技館の前のギャラリーで開かれている友人の写真展に立ち寄る。『バリの息吹』という写真集で、ガムランの舞踊をはじめ、ヒンドゥー教の冠婚葬祭など、信仰と結びついたバリの人々の生活を紹介するほど、バリ島の王族との交流が深い方であるが、今回…

「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」展と、美術館カフェの個性的なランチを楽しむ(茅ヶ崎市美術館)

「台風直撃。明日のゴルフは中止だなぁ…」とちょっとブルーになりがちな気分を盛り上げるべく、サザンオールスターズを聴きながら、湘南方面に向けてハンドルを握る。めざすは、茅ヶ崎市美術館で開催されている「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」と言う…

仏教美術、中国美術、日本美術、工芸…。さまざまな作品を楽しむ「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」展(サントリー美術館)

3連休の最終日。史上最大級の台風が九州に上陸、首都圏は晴れたかと思うと、時折激しい雨に見舞われる。そんな中、サントリー美術館の「美をつくし ー 大阪市立美術館コレクション」展に出かける。 「美をつくし」は難波津の航路標識である「澪標(みおつく…

印象派以降のフランス絵画史・美術運動を辿る「スイス プチ・パレ美術館展」(SOMPO美術館)

SOMPO 美術館で開催されている「スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ」を見に行く。スイスのジュネーヴにあるプチ・パレ美術館は、19世紀後半から 20世紀前半のフランス絵画を中心とした作品を収蔵している。 www.sompo-museum.org 今…

上野の美術館巡り:東京都美術館「芸術 x 力 ボストン美術館展」から、東京藝術大学大学美術館「日本美術をひも解く」へ

上野の美術館巡り。まずは東京都美術館「芸術 x 力 ボストン美術館展」へ。 www.ntv.co.jp 古今東西の権力者たちが、その力を誇示・維持するために芸術の力を利用してきたということで、その肖像画であったり美しい工芸品であったりが、ボストン美術館のコレ…

板谷波山の多彩な陶芸に魅了される(出光美術館)

夏休みの美術館巡り。横浜そごうでのランチの後は、改装していた出光美術館を久しぶりに訪ねる。「生誕150年 板谷波山 -- 時空を超えた新たなる陶芸の世界」展。 その多彩な陶芸に心を奪われる。美しい器の形、多様な彫り紋様に、釉薬を使い分けることで美し…

美しい天空の写真に心が洗われる「KAGAYA 星空の世界」展(そごう美術館)

夏休み初日は、ぐるっとパス、東京駅周辺美術館共通券を活用しての展覧会巡り。そごう美術館と出光美術館を訪ねる。 まずは横浜・そごう美術館で開催されている「KAGAYA 星空の世界」展。美しい天空の写真に心が洗われる。 日本全国、そして全世界を巡って、…

美しい花の写真・映像に元気づけられ(東京都庭園美術館)、水を描いた日本画を見て涼む(山種美術館)

連休の最終日は美術館巡り。 東京都庭園美術館で開催の「蜷川実花 瞬く光の庭」展では、美しい花の写真と映像に元気づけられる。 www.teien-art-museum.ne.jp 山種美術館「水のかたち」展では、水をテーマにした日本画で涼む。千住博の滝をはじめ、さまざま…

サントリー美術館、泉屋博古館東京と巡る中、指揮者の鈴木優人さんと偶然すれ違った

連日の気温 35度超の天気予報を見て、ゴルフに行くのを諦め、涼しい美術館巡りをする。 まずはサントリー美術館「歌枕 あなたの知らない心の風景」展へ。 www.youtube.com 「吉野」と言えば桜。「龍田」と言えば楓。和歌の世界では、土地が特定のイメージと…