海堂尊『極北クレイマー』
久しぶりに海堂尊らしい、キャラの立つ登場人物が活躍する医療エンターテイメントに仕上がっている。地域医療、医療過誤という問題を、小説という手法で浮かび上がらせる。個人的には姫宮の活躍が嬉しい。
アラヴィンド・アディガ『グローバリズム出づる処の殺人者より』
昨年、ブッカー賞を受賞した Aravind Adiga "The White Tiger" の翻訳である。現代のインドの光と影 --- ほんとうのインドの姿を描く。
伊坂幸太郎『死神の精度』
切れのよい文章。ウィットの効いた会話。それだけで十分楽しめるはずなのに、なぜか今一つ自分のテイストとは合わない伊坂幸太郎。だがこの短編集は面白かった。伊坂幸太郎の作品で面白いと思えたのは、『重力ピエロ』についで2冊目。