Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

一瞬の判断ミスが命運を分けた

毎日の歩数を少しでも伸ばそうと、オフィスまでは、最寄りの JR 浜松町駅ではなく都営地下鉄三田駅から歩くのが日課となっている。強い台風18号が近づく中、早目に家を出る。横なぐりの雨を避けるため、今日は浜松町駅に向かうことにした。

日吉駅東横線から目黒線へ乗り換える。目の前で目黒行きの電車が発車しようとしている。「これで目黒まで行って山手線に乗ればいい。」一瞬の間にそう判断してこの列車に乗り込む。これが結果的には最大の敗因であった。

目黒線に乗っている間に「山手線運転見合わせ」の情報が携帯電話に入る。となると、「目黒駅で後続の三田線直通の列車に乗り換えれば大丈夫だ。」そう思ったのも束の間、目黒駅に着いてみるとプラットフォームから溢れんばかりの人、人、人…。地下鉄直通の列車にはまったく乗り換えができない上に、山手線から地下鉄をめざして来る人がどんどんプラットフォームに降りてくる状況である。「日吉駅で後続の三田線直通列車を待っていれば…。」と思ったが後の祭りであった。後続の列車が目黒駅を出て行くのを、近づくことさえできないまま見送る羽目になった。

これですっぱり午前中の予定をあきらめることにした。階段を上り改札付近のすごい人垣を何とかかき分けるようにして、駅の外に出る。駅の上にあるオフィスビルに逃げ込み、エレベータホールの一角に何とか座る場所を確保。ここで電車が動き出すのを待つことにする。

待つこと 3時間。おかげで山形浩生の雑文集『新教養主義宣言』をまるまる読み終わり、さらには The Economist を数ページ読み進めることができた。途中、関係会社からの TEL で仕事の相談に乗ったりもしながら、冷たいステンレスの椅子の上で時間を過ごす。近くのカフェは満席だし、他の店もスタッフが揃わないのか、開店が遅れている。11時過ぎにようやく一店だけ開く。3品しか選べないメニューから定食を選んで昼食としている間に山手線の運転が再開。無事、午後の予定に間に合うようにオフィスに着くことができた。

思えば、あの日吉駅での乗り換えの判断が命取りであった。後続の地下鉄直通の列車に乗っていれば、時間通りにオフィスに着いていたことだろう。

今日の教訓。「あとに選択肢を残すような選択をせよ。」

何だかリアル・オプションの話みたいだが、要するに「あとで別の経路を選べるよう、電車はできるだけ遠くまで行く直通列車を選べ。」ということである。


新教養主義宣言 (河出文庫) 要するに (河出文庫) 訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ-

追記:2009.10.11

台風一過、オフィスから見えた夕刻の夜景を iPhone で撮影した。