ブリヂストンゴルファーズストア 横浜みなとみらいにて、ドライバーのフィッティングを初めてやってみた。フィッティングは端的に言うと、自分のスイング特性を機械で測定・分析して、それに合ったヘッドとシャフトの組み合わせを推奨してくれるサービス。市販されているモデルにはないシャフトなどを組み合わせたカスタム品だが、実際に球を打ってみると、一発でよいショットが出るし、ミート率も高い数値が出るので、ちょっとびっくりした。今回はトライアルで、もともとは 30分くらいのメニューなのだが、フィッティング初心者の質問に丁寧に答えてもらったり、またさまざまなシャフトを試させてもらったりして、結局のところ、1時間近くかかったと思う。
フィッティングを行うゴルファーズストアの外観はこんな感じ。中に入るとレッスン用の機械が 3台並んでいる。
何球かアイアンで球を打って、身体を温めた後、持参した今使っている PHYZ (2011) のドライバーで球を打って、Trackman というシステムで、自分のスイングを計測してもらう。ふだん打ちっ放しで練習していることもあり、目の前に壁があるのに慣れない。なんとなくいつもと違うスイングをしているのだろうか、普段使っているドライバーであるにもかかわらず、今一つミートしない。それでも 3回測定して、3回とも同様の傾向が出たので、これが自分のスイング特性ということになる。
写真は、いつも使っている 7I とドライバーでの測定結果。どちらも引っかけてしまった時の結果である。Club Speed がヘッドスピードだが、Trackman システムでは辛めに出るとのこと。
自分のスイング特性は下記の通りになる:
- ヘッドの軌道
- アッパーでもなくダウンブローでもなく、レベルブロー(これはちょっと嬉しい)。
- テイクバックからトップまでの軌道と、切り返しからフォローまでの軌道を比較すると、アウトサイド・インになっている(わかってはいたが残念)。
- インパクト時のフェースの向き
- 開き気味。アウトサイド・インの軌道と合わせると、スライサーということになる。
- インパクト時のフェースローテーション
- 小さい方。手首をあまり積極的に使っていない。球が捕まりにくい。
- 正面から見た時のバックスイングとダウンスイングの軌道差
- ほとんどヘッドの軌道に差がない。つまりタメが作れていないことになる(自分ではタメが作れているつもりだったので、かなり残念)。
こうやって計測されることで、客観的なデータとして、自分のスイング特性を突きつけられた訳だが、「切り返しで力が入り、ボールを叩きに行くため、軌道がアウトサイド・インとなりがち」なのは、ゴルフスクールのコーチから日ごろ言われていることでもある。
上記のスイング特性に基づき、重心角が大きいヘッド(J015 か J815、10.5度)と、手元調子のシャフト(フレックスは S)を組み合わせるカスタム・ドライバーが、フィッターの方から提案された。シャフトは下記のいずれかを組み合わせる:
- Tour AD GP-6 (S):66g、トルク 3.1、中調子(とはいえグリップ下から中間部にかけてしなりを感じる)、グラファイトデザイン
- Diamana W60 (S):64g、トルク 3.2、元調子、三菱レーヨン
コーチには「R フレックスのシャフトでしなり戻りを使え」と言われているので、少し戸惑い気味ながらも打ってみることにする。そうしたら何と一発でうまくミートして球が捕まり、軽くドローのかかった球筋になる。ミート率も 1.44 とか 1.49 という数値に向上した(ただ Trackman のヘッドスピードが辛めに出るとすると、これくらいは出ないとおかしいのかもしれない)。
自分なりの理解では、僕のように切り返しで力が入り、タメを作りにくい人は、手元調子の硬めのシャフトにすることで、切り返しの後、ヘッドの出を遅れさせる。重心角の大きいヘッドにすることにより、フェースが返り易く、ボールが捕まり易くなり、ドロー系の球が打てるようになる。シャフトの長さは 45.5 インチ、PHYZ が 46.25インチだったから、だいぶ振り易く感じる。
実はグリップにも気を遣うべきとのこと。PHYZ 純正のグリップは 40g だが、今僕が使っているグリップは 48g のもの。だとすると、バランスがより手元の方に来ていることになる。今回、提示されたクラブのグリップには、Golf Pride φ60、49.5g が装着されていた。
コーチには R シャフトを使うようにアドバイスされているのに対し、フィッターが勧めてくるのは S シャフト。中井学プロも「アマチュアはスピン量を増やすために、積極的に R を選んだ方がいい」「まずは R を試してみて軟らかすぎると思ったら SR、まだ柔らかいと思ったら S と段階を踏めばいい」「どのメーカーのクラブであれ純正シャフトでベストのパフォーマンスが出るように造ってあるから、まずは純正を試すべき」と言っている(『中井学 賢いクラブの使い方』読書メモ)。「クラブに合わせて、スイングを変えるように教える」インストラクタと、「スイングに合わせてクラブを変える」メーカー・販売店との立場の違いが、こういうところに表れてくるのかもしれない。
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クラブ・フィッティング、自分のスイングにクラブを合わせるとはこういうことなのか、ということが実感できて、なかなか興味深い 1時間だった。市販モデルとは違う組み合わせを推奨してくるあたり、商売も上手い(ゴルファーズストアで買うと割引になる)。データ分析に基づく、かなりマニアックな世界でもある。こういうカスタムクラブの世界の入り口に立ってみただけでも面白かったが、僕くらいの技量であれば、市販モデル・純正シャフトのクラブで十分という気がした。