Muranaga's View

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下半身を使う切り返し、ボディーターン型へのスイング改造に半年以上かかったが、飛距離が伸びた

今から一年も前の話になるが、2016年は「スイング改造」の年であった。端的に言うと、腕を振るのではなく身体を回転させる「ボディーターン」型のスイングに改造した。下半身を使って切り返し、そのまま腰を切って、上半身をターンさせるスイングである。生来の不器用さゆえに、その改造には半年以上を要した。その間、まともに球にミートせず、初心者のように 110 以上を叩くラウンドが連続して苦しかった。コーチには「切り返しは難度の高い修正。でも次のステージに進むには必要。」とおだてられつつも、「なぜこの改造に取り組んでいるんだろう?」「この改造の先に、何かいいことがあるのか?」と感じることもしばしば。以前のスイングに戻したいとふと思うこともあった…。

しかし我慢してよかった。下半身・足を使った切り返し、ボディーターンによる新しいスイングにより、飛距離を伸ばすことができた。ドライバーのキャリーは 200ヤードを超え、アイアンは一番手以上、つまり少なくとも 10ヤードは飛距離が伸びた。7I で 150ヤードを狙える(キャリーで 145ヤード)ようになり、ようやく飛距離が「人並み」になってきたと言えるだろう(参考:ゴルフ総合研究所)。

2016年 3月ごろから改造に取り組み始め、結局、スコアが落ち着いてきたのが 9月ごろ。半年間、いろいろな言い方で指導を受けながらスイングを修正してきたが、最も大きいポイントは下半身、足を使った切り返しであった。切り返しにおいて、いったん沈み込み、足で地面を蹴る。あるいは地面を強く踏む。これをきっかけに、左足股関節を軸として、右半身(身体の右サイド)を回転させる(「右腰を切る」)。地面からの反発力を使って、下半身をエンジンとして、身体の回転(ボディーターン)を行う。腰を回転(ヒップターン)させ、上半身を回転(ショルダーターン)させる一方で、腕を振る意識はできるだけなくしていく。

改造前は左足を踏み込むことをきっかけとして切り返していたが、腰より上だけで身体を回転させている感覚であった。どちらかというと右に捩じった上半身を左に戻す感覚で、その際に腕でボールを叩きに行きがちであった。それに対し、改造後の切り返しは、右足で地面を蹴る感覚が強い。飛球線とは逆方向に、右足の内側かかとで地面を蹴ることで、右足に伝わる地面からの反動を積極的に使って、右腰・右半身を回転させる。これにより 40m/s も行かなかったヘッドスピードが 40-43m/s 出せるようになったのである。

このように切り返しの動作と自分の中の感覚が、改造前後で全く違うため、スイング改造には本当に時間がかかった。当時の練習メモを読み直すと、苦闘・迷いのあとがうかがえる。そのメモを読み直しながら、具体的にどんなふうにスイングを改造していったかを振り返ってみる。

スイング改造のための練習は次の通り:

  • 左への体重移動
    • 真ん中ではなく、ボール 1-2個、左に置く。極端に言うと、アイアンでもドライバーと同じくらい左、つまり左足かかとの延長線上くらいに置く。
    • ボールを左に置くと、普通に打つと引っかかる訳だが、そうならないよう、腰のターンと左への体重移動を積極的に行って、このボールをまっすぐに打つ。
  • 大きなバックスイング、小さなダウンスイング:
    • 切り返しからダウンスイングにかけて、腕を「低く」、体にひきつける。
  • 下半身・足で地面を蹴る切り返し:
    • トップでいったん膝を曲げて、沈み込み、地面を踏みつける(蹴る)ことので切り返す。
    • 「椅子に腰かける」ように沈み込む。
  • インパクトはハンドファーストインパクト時には左足にしっかり体重が乗った状態。

トップでいったん膝を曲げて沈む。地面を蹴って切り返す。膝を伸ばしながらインパクトを迎える。この一連の動きが、なかなかできなくて苦労した。言葉にすると難しいが、一連の動きがわかり易いから映像を参考にするように言われたのは、何とタイガー・ウッズとロリー・マキロイ。確かにこの二人は切り返しで沈み込んでいる。タイガー・ウッズはトップの前に沈み、さらにダウンスイングでも沈み込んでいる。そして右足を斜め右下に蹴っている。YouTube の映像を見ると、"lower body" とかスクワッティングという言葉が出てくる。そう、スクワットをしているというのは、いいたとえかもしれない。

これは 2016年4月ごろ、スイング改造で苦闘していた時の映像である。切り返しでの沈み込みはぎごちないものの、少しできつつある。しかしインパクト前に左ひざが伸びてしまって、ボールに力を伝えられていない。

とにかく、この練習を始めてから、まったくボールにミートしなくなった。コースに行っても 110 叩きが続く。コーチには「スコアはつけなくてもいい。以前のスイングに戻さず、今やっているテーマを必ずコースでも続けること。」と厳命される。なぜボールにちゃんと当たらないのか?腕を低くひきつけ、体を沈み込ませる分、目とボールの間の距離が短くなり、「ダフりそう」と感じてしまうからである。ここでクラブヘッドをボールに合わせようとすると、案の定ダフる。そうならないようにしようと、左膝が伸びてしまう。こんな悪循環の日々であった。目からの情報に惑わされず、ダフるのを恐れずに、低い体勢のまま、腰をしっかり回転させなければならない。結局、3月から始めて、3ヶ月ほどかかって、ようやく下半身・足を使った切り返しができるようになってきた。

2016年6月に、コーチと一緒に大多喜城ゴルフ倶楽部をまわって、新しいスイングが徐々にコースでもできつつあるのを確認してもらった。この時のスコアは 91。そしてこれ以降の半年間、ようやくスコアにも反映されてきて、100を切る回数が増えた。それと同時に、ヘッドスピードが向上、飛距離も伸び、スイング改造できたことを実感した(「ゴルフ:2016年の反省と、2017年の目標」)。

これは 2016年12月、スイング改造後の映像である。まだ軸足になる左足が回転してしまい、右ひざが前に出るなど、下半身が暴れているものの、切り返しで地面を蹴る動作はだいぶ無意識のうちにできるようになってきている。

2017年に入ってからも、下半身を安定させるべく、スイングの修正は続いている。しかし 2016年に取り組んだ改造に比べれば、小さな修正である。2016年にスイングの基盤・土台を大きく変え、その土台の上に 2017年は改良を積み重ねていると言えるだろう。

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