雨の中、みなとみらいホールで開催された神奈川芸術協会のコンサートに出かける。世界トップクラスのリスト弾きとして知られる阪田知樹さんのオール・リストプログラム「ファンタジック・リスト」。リストの 4曲すべてがオーケストラとの協奏曲である。
曲目・演目 <オール・リスト・プログラム>:
- ハンガリー幻想曲 S.123
- ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125
- 休憩
- 死の舞踏(「怒りの日」によるピアノと管弦楽のためのパラフレーズ)S.126
- ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124
- アンコール
- ラフマニノフ:楽興の時 第2番 Op.16-2 変ホ短調
演奏:
いずれもi超絶技巧の難曲のはずなのに、それを微塵も感じさせない余裕(?)の演奏。完全に自分のものにしている感じで、ある意味、爽快で気持ちのいい演奏だった。元来あまりリストは聴かず、今日の演目だとピアノ協奏曲第1番くらいしか通して聴いたことがなかったかと思うが、どの曲も阪田さんの演奏に引き込まれる形で、興味深く聴いた。
Lisztピアノ協奏曲4曲演奏会、終演致しました。素晴らしい演奏をしてくださった神奈川フィルハーモニー管弦楽団の皆様と指揮の田中祐子氏、そして、ご来場下さった皆様に心より感謝申し上げます。協奏曲一挙演奏は、9月17日(日)ラフマニノフ全5曲が…。
— Tomoki Sakata 阪田 知樹 (@TomokiSakata) 2023年3月18日
アンコール/Encore⬇️https://t.co/lq9fc7fYEN pic.twitter.com/XmgggYSGnE
終わったらスタンディング・オベーションをする聴衆も多く(そのほとんどが女性)、「たぶんリストの時代も、今のロック・コンサートのように、超絶技巧を弾きこなすリストに聴衆は熱狂していたんだろうなぁ」と思う。阪田さんも半年前の辻彩奈さんとのデュオコンサートの時よりもさらに髪を伸ばして、リストに寄せていっているような気がしなくもない。
アンコールはラフマニノフ「楽興の時」。阪田さんは、9月にラフマニノフのピアノ協奏曲全曲をやるコンサートを控えており、その予告編かもしれない。
www.japanarts.co.jp4曲のリスト協奏曲終演‼️出番前も後も彼は常に自然体☺️常にオケとアンサンブルを楽しむ余裕がおありでプランはあれど本番のアイディアを大切になさり更に尊敬。合わせにくくて有名な2番を含む4曲を1日のリハで完璧に仕上げてくださった神奈川フィル、各ソロも絶品で舞台上の全員を尊敬した日でした‼️ https://t.co/30ekFXuW3A pic.twitter.com/fg0TQjeY3d
— 田中祐子@2024年名音指揮コース誕生 (@yukolin78) 2023年3月18日
それにしても日本人男子の若手ピアニストのレベルの高さに、改めて驚かされる。藤田真央、阪田知樹、務川慧悟、亀井聖矢…。あ、反田恭平もいた。何かベテラン感もある上に、ピアニストというより経営者、という印象だけれども。