Muranaga's View

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超絶技巧曲を余裕で弾きこなす阪田知樹「ファンタジック・リスト」(横浜みなとみらいホール)

雨の中、みなとみらいホールで開催された神奈川芸術協会のコンサートに出かける。世界トップクラスのリスト弾きとして知られる阪田知樹さんのオール・リストプログラム「ファンタジック・リスト」。リストの 4曲すべてがオーケストラとの協奏曲である。

kanagawa-geikyo.com

曲目・演目 <オール・リスト・プログラム>:

演奏:

いずれもi超絶技巧の難曲のはずなのに、それを微塵も感じさせない余裕(?)の演奏。完全に自分のものにしている感じで、ある意味、爽快で気持ちのいい演奏だった。元来あまりリストは聴かず、今日の演目だとピアノ協奏曲第1番くらいしか通して聴いたことがなかったかと思うが、どの曲も阪田さんの演奏に引き込まれる形で、興味深く聴いた。

終わったらスタンディング・オベーションをする聴衆も多く(そのほとんどが女性)、「たぶんリストの時代も、今のロック・コンサートのように、超絶技巧を弾きこなすリストに聴衆は熱狂していたんだろうなぁ」と思う。阪田さんも半年前の辻彩奈さんとのデュオコンサートの時よりもさらに髪を伸ばして、リストに寄せていっているような気がしなくもない。

muranaga.hatenablog.com

アンコールはラフマニノフ「楽興の時」。阪田さんは、9月にラフマニノフのピアノ協奏曲全曲をやるコンサートを控えており、その予告編かもしれない。

www.japanarts.co.jp

それにしても日本人男子の若手ピアニストのレベルの高さに、改めて驚かされる。藤田真央阪田知樹務川慧悟亀井聖矢…。あ、反田恭平もいた。何かベテラン感もある上に、ピアニストというより経営者、という印象だけれども。