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余裕の超絶技巧、理知的で美しい演奏を堪能した阪田知樹リサイタル(ミューザ川崎シンフォニーホール)

神奈川芸術協会の「夜ピアノ 2025」第 5回は、現代日本を代表するリスト弾きと言ってもいいだろう、阪田知樹のリサイタルである。

kanagawa-geikyo.com

ウェーバー没後 200年生誕 240年、ということで、シューベルトの小品以外は聞いたことのないマイナーな曲ばかりのプログラムだったが…。最後に凄いのが準備されていた。

ウェーバー「コンツェルトシュテュック」、リスト編曲のピアノ独奏版。阪田知樹らしい余裕の超絶技巧が如何なく発揮された理知的で美しい演奏で、聴衆を感動の渦に巻き込んだ。正直、あまりの凄技に呆気に取られて、笑ってしまったくらいである。

曲目

--- 休憩 ---

--- アンコール ---

このプログラム構成について、阪田知樹自身が語っているのを Web サイトから引用する:

ウェーバー没後200年&生誕240年記念〜 「ウェーバーを讃えて」

オペラの大家として知られるグルックの歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》の有名なバレエ音楽《精霊の踊り》で幕を開ける。リストの弟子:スガンバーティによるピアノ独奏編曲版は、ラフマニノフなど古今東西の名ピアニスト達が取り上げた佳品。

続いては、ウェーバーの親戚にあたるモーツァルトグルックによる歌劇のアリアをもとにした変奏曲。モーツァルトの即興演奏を聴き手に想像させるような、やや奇抜な和声進行や遊び心に溢れた楽曲。

モーツァルトによるドイツ語歌劇の伝統を受け継いだウェーバーは、歌劇《魔弾の射手》によってワーグナーらに繋がっていくドイツ・ロマン派歌劇の新たな世界を開いた。当代随一のピアニストとしてヨーロッパで名を馳せたウェーバーは、自身の大きな手を活かした美しくも華やかな楽曲を作曲した。彼の代表作の一つであるピアノソナタ第2番は、優美でありながら、極めて交響的な音楽となっており、演奏には高度な技巧を要する。

歌劇《魔弾の射手》を高く評価していた歌曲王シューベルトもまた、ウェーバーと交流があった。シューベルトは、自身の歌劇を上演してもらうべく楽譜をウェーバーに送っている。好意的な返事を受け取ったものの上演には至らなかった。

ウェーバーの《コンチェルトシュテュック》は、メンデルスゾーンやリストをはじめとする多くのピアニストがレパートリーにしていたピアノ小協奏曲。今回はそれをリストによるピアノ独奏版でお届けする。リストはウェーバーの作品を高く評価し、その作品を演奏会で頻繁に取り上げていた。

2026年に没後200年、生誕240年を迎えるドイツの作曲家:カール・マリア・フォン・ウェーバーウェーバーと彼にまつわる作曲家を合わせてお聴きいただくことで、その魅力を伝えることができればと願う。

阪田知樹

リサイタルでも「今日 1月27日はモーツァルトの誕生日なので、モーツァルトは必ず入れたかった」と話していた。

それにしても今の日本には、それぞれ個性的で素晴らしい演奏をするピアニストが揃っていると思う。阪田知樹は、難曲を余裕で弾きこなすテクニックをベースに持ちつつ、その上に自分ならではの理知的な解釈に基づいて、美しい演奏を繰り広げる。

来年の「夜ピアノ」も務川慧悟が登場する。楽しみである。