Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

「ブルー・オーシャン戦略」読書メモ

実際にメモを作ってみると、戦略策定の部分は厚いが、実行の部分は薄いことがわかる。NYPD の例が記述されているが、戦略実行は組織マネジメントの問題であり、抽象化するのは難しいのだろう。

パワーポイントで作った読書メモから、戦略策定部分を抜粋する。

ブルーオーシャンの特徴

  • 競争のない市場、競争を無意味にする、新たな需要を掘り起こす
  • 価値イノベーション(価値を高めコストを下げる)、差別化・低コスト同時追求

ブルーオーシャン6原則

戦略策定4原則+戦略実行2原則
  1. 市場の境界を引きなおす → 6つのパス
  2. 細かな数字は忘れ森を見る → 戦略キャンバス+4アクション
  3. 新たな需要を掘り起こす → 非顧客グループ
  4. 正しい順序で考える → 効用・価格・コスト・導入
  5. 組織面のハードルを乗り越える
  6. 実行を見すえて戦略を立てる

ツール:戦略キャンバス(価値曲線)+4アクション

  • 戦略キャンバス:横軸=業界競争要因、縦軸=買い手の効用享受レベル
  • 4アクション:横軸=付け加える・取り除く、縦軸=増やす・減らす

戦略策定 (1) 市場の境界を引き直す

  • パス1:代替産業に学ぶ
    • レストランと映画館
    • i-mode: インターネットと携帯電話両方の強みに着目
  • パス2:業界内のほかの戦略グループから学ぶ
  • パス3:買い手グループに目を向ける:購買者・利用者・影響者(意思決定者)
  • パス4:補完財や補完サービスを見渡す
    • ボーダーズ・バーンズ&ノーブル(ラウンジやカフェ提供)
  • パス5:機能志向と感性志向を切り替える
    • QBハウス(感性の理容 → 徹底した機能志向へ・時間短縮)
  • パス6:将来を見通す(トレンドが顧客価値・自社ビジネスモデルに与える影響を予想)

戦略策定 (2) 細かい数字は忘れ、森を見る

「戦略キャンバス」 による視覚化を以下の 4つのステップに従い行う:

  1. 目を覚ます
    • 現在の戦略を競合と比較
  2. 自分の目で現実を知る
    • 自ら最前線に足を運び6つのパスを探る
    • 代替財・サービスの優れた点を見極める
    • 競争要因の廃止・追加・変更の必要性を判断する
  3. ビジュアル・ストラテジーの見本市を開く
    • ステップ2の洞察に基づき新たな戦略マップを描く
    • 既存顧客・他社の顧客・潜在顧客からフィードバックを得る
    • さらに練り上げる
  4. 新戦略をビジュアル化する
    • 新旧戦略を 1枚のチャートで比較
    • 新戦略の実現に役立つプロジェクト・施策のみを推進する

戦略策定 (3) 新たな需要を掘り起こす

顧客以外に目をむけ、共通して重んじる要素に注目する:

  • 第1グループ: 市場のエッジにいてすぐに逃げ出すかもしれない層
    • プレタマンジェはレストランで昼食を取る顧客に注目
  • 第2グループ: あえてこの市場の製品・サービスを利用しないと決めた層
    • 屋外広告の非顧客に「ストリートファニチャー」(バス停、ゴミ箱、ベンチなどを自治体に無償提供、広告スペースとした)
  • 第3グループ: 市場から距離のある未開拓の層
    • 互いに独立していた空軍・海軍・海兵隊に共通の競争要因のみに絞った戦闘機を低コストで実現
  • 3グループを見渡して共通点を探る
    • できるだけ広いブルー・オーシャンを手に入れる

戦略策定 (4) 正しい順序で戦略を考える

  1. 効用
    • 買い手にとっての比類ない効用
  2. 戦略価格
    • 多くの人が手を伸ばしやすい
  3. コスト
    • 価格競争力を保ちつつ利益が出る
  4. 実現・導入
    • 導入のうえでの障害を事前に解決

買い手の効用マップ 6x6 マトリックス

ブルーオーシャン戦略の利益モデル