Muranaga's View

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Sun の徹底的にオープンなクラウド戦略

Sun のクラウド戦略で興味深いと僕が感じるのは、パブリック・クラウドとプライベート・クラウド両方を視野に入れ、それらをシームレスにつなごうとしていることである。

  1. 企業のファイアウォールの中から Sun のパブリック・クラウドを使える
  2. 徹底的にオープンな取り組み

セキュリティやサービス・レベルの観点からパブリック・クラウドを利用できない企業顧客に向けて、各企業のプライベートなデータセンターから、パブリック・クラウドを使えるようにするところが、AmazonGoogle などのパブリック・クラウド提供者と違うところである。パブリック・クラウドに関する企業側の最大の懸念に最初に回答を出そうとしているのが Sun のクラウドである。

そして CEO の Jonathan Schwartz が述べているように、クラウドについて、徹底的にオープンな取り組みを行っている。


Open drives innovation, innovation drives preference, preference drives adoption. The largest companies in the world are now seeing the appeal and benefit of living outside closed, proprietary systems.

一部のストレージ APIWebDAV でアクセスでき、また Amazon S3 API と互換性を持つ。さらには Amazon Web Services 上でツールを構築している RightScale のような開発パートナーを巻き込むことで、クラウド自体のプラットフォーム化とその周辺のエコシステム構築を考えている。Amazon Web Services と互換性があり、事実上の標準的なクラウド API を作ることを狙っていると見ることができる。

もしこういう世界が実現されるならば、企業からするとプライベート・クラウド化(仮想化による効率運用)した自社データセンターと、パブリック・クラウドとが、同じ API で運用・アクセスでき、かつ、クラウド間を自由に使い分けるような「インター・クラウド」が実現できる可能性が開ける。

Sun Open Cloud のリソース