映画「南極料理人」を DVD で観て以来、わが家では南極がちょっとしたブームである。「南極料理人」は極寒のドームふじ基地で越冬する南極観測隊を、食事をメインの題材にして、淡々とユーモラスに描いている。極地、しかも一日中太陽が顔を出さない極夜の季節。逃げ場のない閉鎖空間の中で研究者とスタッフはどう暮らしているのか。その時に食事の果たす役割は?緩さが心地よく、味わい深い映画である。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2010/02/23
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当然、その原作も読んでみる。これもまた面白い。
- 作者: 西村淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
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『面白南極料理人』は第38次観測隊。この次の第39次観測隊からは女性研究者が越冬している。その手記が『南極に暮らす』である。この本の巻末には、極地研究所の神沼名誉教授が南極観測の歴史を手短に解説しており、わかり易い。
- 作者: 坂野井和代,東野陽子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/07/25
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第45次観測隊には女性新聞記者が越冬隊に同行して、1年4ヶ月に及ぶ取材をしている。しかも昭和基地に留まらず、1,000km 離れた高度3,800mのドームふじ基地まで出かけて越冬する。『こちら南極ただいまマイナス60度』はその毎日書き続けられた女性記者の日記である。圧巻はドーム基地に向かう雪上車での約1ヶ月に及ぶ閉鎖された生活。雪上車の上で寝食を共にし、極寒の野外で用を足す。雪上車は一日10kmと進めない日もあり、トラブルも続く。一歩間違えば命を失う。男性でも厳しい生活が強いられる中、毎日レポートを送り続けた女性記者のたくましさに脱帽である。
こちら南極ただいまマイナス60度―越冬460日のホワイトメール
- 作者: 中山由美
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/12
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こういう手記を読んでいると、そもそも南極観測とは何をやっているんだろう?と興味が沸く。『南極ってどんなところ?』は越冬隊の研究者、サポートスタッフ、記者による解説集。雪氷、気象、生物、隕石などの研究分野を紹介する。『南極の科学』はさらに詳細な紹介。
- 作者: 柴田鉄治,中山由美,国立極地研究所
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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地球環境を映す鏡 南極の科学―氷に覆われた大陸のすべて (ブルーバックス)
- 作者: 神沼克伊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/20
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最後に。『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』の写真は本当に美しい。
- 作者: 武田康男
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2010/07/22
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