彼岸花を見た後は、横浜・高島屋で開催されている「安野光雅 追悼『洛中洛外と京都御苑の花』展」を観に行く。
安野光雅と言えば、子供の頃に読んだ絵本『ふしぎなえ』をよく覚えている。そして大人になってからは『旅の絵本』シリーズを楽しんだ。今回は安野さんが京都の四季を描いた『洛中洛外』の原画、約100点が展示されている。
安野さんの原画を見るのは初めてかもしれない。『旅の絵本』シリーズでの緑の印象が強かったが、京都の街並みや寺社仏閣を描いた水彩画は、さまざまな色に溢れている。そこではゴッホのような白の絵具の使い方が施されていたり、点描が使われていたりする。また日本画の垂らし込みのような手法で彩色されていたりする。『絵の教室』で書かれたように、確かな技術力に支えられた繊細なタッチのやさしい水彩画である。
絵の横に添えられた文章にも引き込まれる。柔らかで繊細なタッチの水彩画とエッセイの両方を、十二分に堪能できる展覧会となっている。
ランチは、高島屋フーディーズポートの特設コーナーで、地方特産のお弁当を買って帰ることにした。富山の「ます寿司」、名古屋の「天むす」、そして最近流行りの「瀬戸内レモン」のとり飯。
「ます寿司」は、中学1年生の夏、立山に行った時の思い出である。帰途の北陸本線の中で食べた駅弁。無性に美味かった。当時は 500円だったという記憶がある。