「最後の印象派」と称されるフランスの画家、アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタン。この二人に焦点を当てた「シダネルとマルタン展」を観に、SOMPO美術館に足を運ぶ。


名前を聞いたことはあるが、その絵をあまり見る機会がない二人の画家は、芸術観を共有した友人どうしであった。
点描の手法を使うなど印象派の影響を受けた絵もあれば、象徴主義のような絵もある。マルタンは南仏ということもあるのだろうか、原色に近いを使う。
マルタンはフランス国務院などの建物の大きな装飾画を描いており、その習作的な油彩画も展示されている。
一方、北仏のシダネルは、淡く柔らかい色使いだ。個人的には、シダネルの風景画や食卓を描いた絵が好みである。《ブリュッセル、グラン=プラス》と題された建物の夜景の絵が美しい。シダネルの描く絵の中から人物の姿は消えていくが、食卓を描いたり、窓に灯りがともっていたり、人間の存在を暗示させる手法をとっている。
この二人の画集はなかなかお目にかかることはないだろう。そう思って図録を購入した。
この展覧会の様子を描いた『美術手帖』の記事がある。二人がどのような絵を描いたのかがわかる記事である。
この日は SOMPO美術館の隣の新宿野村ビルに車をとめた。展覧会の後、このビルの 50階からの眺望を楽しみながらのランチとなった。ホテルオークラ系のレストラン、デュークのランチプレート。

