サントリー美術館をあとにして、新緑が美しい泉屋博古館東京へ。企画展「ライトアップ木島櫻谷 ― 四季連作大屏風と沁みる生写し」を見る。
木島櫻谷(このしま・おうこく)は好きな京都画壇の日本画家の一人で、特に《寒月》が大好きである。今回はその《寒月》は出ていないが、四季連作大屏風などの大作が展示されている。
展覧会の Web サイトから概要を引用する:
大正中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るために描かれた木島櫻谷の「四季連作屏風」を全点公開します。
大正期の櫻谷は、独特な色感の絵具を用い、顔料を厚く盛り上げ、筆跡を立体的に残し油彩画のような筆触に挑戦しています。そのために櫻谷は、「技巧派」などと称されましたが、櫻谷の真骨頂は、それに収まらない極めて近代的なものでした。リアルな人間的な感情を溶かし込んだ動物たちは絵の中で生き生きと輝きはじめ、とりわけ動物が折節にみせる豊かな表情は、観る者の心に沁みます。
江戸時代中期(18世紀)京都で生まれた円山四条派の代表的な画家たちによる花鳥画表現を併せて紹介することで、櫻谷の「生写し」表現の特質をライトアップします。
木島櫻谷は写実的な動物画も素晴らしい。持っている画集から、今回の展覧会に出品されていたものをいくつか。
今回の展覧会にはなかったが、大好きな《寒月》も載せておく。