Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

美しい風景日本画を観る:「生誕110周年 奥田元宋と日展の巨匠」展(山種美術館)

SOMPO美術館「シダネルとマルタン展」の後は、山種美術館まで足を延ばし、「生誕110周年 奥田元宋と日展の巨匠」展を観る。

奥入瀬を描いた作品が美しい。秋、そして春。二つの大きな絵が展示されている。

《山澗雨趣》は奥只見での写生をもとに描かれている。雨に濡れた新緑に、一筋の白い滝が落ちる。さわやかな風景である。

奥田元宋《山澗雨趣(さんかんうしゅ)》昭和50年

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「最後の印象派」と称される二人の画家「シダネルとマルタン展」(SOMPO美術館)

「最後の印象派」と称されるフランスの画家、アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタン。この二人に焦点を当てた「シダネルとマルタン展」を観に、SOMPO美術館に足を運ぶ。

www.sompo-museum.org

名前を聞いたことはあるが、その絵をあまり見る機会がない二人の画家は、芸術観を共有した友人どうしであった。

点描の手法を使うなど印象派の影響を受けた絵もあれば、象徴主義のような絵もある。マルタンは南仏ということもあるのだろうか、原色に近いを使う。

マルタンはフランス国務院などの建物の大きな装飾画を描いており、その習作的な油彩画も展示されている。

マルタン《ガブリエルと無花果の木》1911年

マルタン《二番草》1910年

一方、北仏のシダネルは、淡く柔らかい色使いだ。個人的には、シダネルの風景画や食卓を描いた絵が好みである。《ブリュッセルグラン=プラス》と題された建物の夜景の絵が美しい。シダネルの描く絵の中から人物の姿は消えていくが、食卓を描いたり、窓に灯りがともっていたり、人間の存在を暗示させる手法をとっている。

シダネル《ジェルブロワ、テラスの食卓》1930年

この二人の画集はなかなかお目にかかることはないだろう。そう思って図録を購入した。

「シダネルとマルタン展」図録

この展覧会の様子を描いた『美術手帖』の記事がある。二人がどのような絵を描いたのかがわかる記事である。

bijutsutecho.com

この日は SOMPO美術館の隣の新宿野村ビルに車をとめた。展覧会の後、このビルの 50階からの眺望を楽しみながらのランチとなった。ホテルオークラ系のレストラン、デュークのランチプレート。

r.gnavi.co.jp

今さらながら、スカパー!に加入した

今さらながらだが、スカパー!に加入した。その経緯をまとめておく。

今年の4月、Golf Network をやめて GOLF TV に加入したのだが…。今週末の全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)は Golf Network、DAZN、AbemaTV でのみ配信されて、GOLF TV では見られないことが判明した。

tv.golfnetwork.co.jp www.golf.tv

うぅ、失敗したかもしれない。6月まで有効だった Golf Network を、その時退会してしまったのだ。

なぜ GOLF TV に加入したかと言うと、今年から米国男子 PGA に加えて、日本の女子ツアー JLPGA を配信することになったからである。GOLF TV だと PC、タブレットスマホだけでなく、テレビで視聴することができる(Amazon Fire TV 経由)。

一方、Golf Network はテレビで視聴することができないことが、僕にとっては難点の一つだった。リビングでソファに寝転がったまま、大画面でゴルフを観たい。そこで GOLF TV に乗り換えたのだが…。

AbemaTV は PPV(pay-per-view)だし、DAZN に加入するべきだろうか。DAZN には 7日間無料お試し体験キャンペーンがある。

さらに検討した結果、今さらではあるが Golf Network はスカパー!で配信されていることがわかった。そうか、Golf Network もリビングのテレビで見たり録画したりできるのだ。

www.dazn.com www.skyperfectv.co.jp

スカパー!は試してみてもよさそうである。最近、WOWOW のコンテンツがつまらなく、あまり見なくなっているので、こちらを解約して、(今さらながらではあるが)スカパー!に加入することにしよう。

「絵のある陶磁器 仁清・乾山・永樂と東洋磁器」展(三井記念美術館)

雨の日の美術館巡り。「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」展を観たあとは都美のレストラン(ここも上野精養軒の経営である)でランチ。そして三井記念美術館へ向かう。リニューアルオープン第1弾の展覧会「絵のある陶磁器 仁清・乾山・永樂と東洋磁器」を見る。

展覧会のサイトではその趣旨を下記の通り説明している:

江戸時代の京都では、仁清や乾山の色絵陶器、染付や金襴手のような中国陶磁を写した永樂家の陶磁器など、絵のある陶磁器が多く焼かれ、それらが今日の京焼へとつながっています。

「江戸店持京商人(えどだなもちきょうあきんど)」として、京都に居住した豪商三井家は、茶の湯を通じて仁清や乾山につながる永樂家の陶磁器を好み、長年にわたり親交がありました。今回の展覧会は館蔵品のなかから、仁清・乾山をはじめ、写しの世界ともいえる永樂保全・和全の陶磁器を中心に、そのもとになった中国陶磁もあわせて展観いたします。

そして京焼の野々村仁清尾形乾山、永樂保全・和全について、次のように紹介している:

日本の陶磁器の歴史の中で、器体に釉薬や絵具で絵が描かれるのは、桃山時代に美濃で焼かれた志野や織部からはじまります。いずれも茶の湯の陶器として焼かれたもので、志野では簡略な草花や垣根、屋形や橋などの文様化されたものが多く、織部では様々な幾何学文様や染織品などから切り取ったような文様が描かれ、織部好みと呼ばれて茶人の間で大流行しました。

その流れの中で京焼色絵陶器の完成者とも言われる野々村仁清が、大名茶人や公家の好みを汲み取った雅な茶陶を焼きました。繊細優美な器形とともに、色絵と呼ばれる色彩豊かな上絵具による文様が描かれ、その後の京焼の方向性が示されたといえます。

尾形光琳の弟である尾形乾山(1663~1743)は、仁清に陶法を学び、京都の鳴滝に窯を築いて乾山焼を焼きました。光琳が絵を描いた角皿や、乾山自身が山水や詩画を描いた茶碗や食器など、文人的な焼き物へと広がりを見せます。

その後、幕末には西村(永樂)了全(1770~1841)・保全(1795~1854)が出て、仁清写しや中国陶磁の写しを焼き、茶の湯界の需要に応えますが、その背景には三井家との親密な交流がありました。その関係は幕末から明治の永樂和全(1823~96)、さらに昭和の永樂即全まで続いています。

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巨匠たちの絵を観て西洋美術史を辿る「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」展(東京都美術館)

お休みをとったのに、あいにくの雨。美術館巡りをする。まずは都美(東京都美術館)。そしてリニューアルした三井記念美術館

朝の渋滞を避けるべく、湾岸線からレインボーブリッジ経由で上野へ。「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」展が都美で開催されている。

greats2022.jp

1859年創立のスコットランド国立美術館は、王侯貴族のコレクションを引き継いだ訳ではなく、当時の有力者からの寄贈であったり、作品購入の資金提供を受けたりして、何万点もの作品を集めている。

今回その珠玉のコレクションから約 90点が来日しており、西洋絵画史を辿っていく展覧会になっている。ラファエロエル・グレコ、ベラスケス、レンブラントブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの巨匠たちの作品はもちろん、ゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイといった英国の画家たちの作品を鑑賞することができる(出展作品リスト PDF)。


www.youtube.com

巨匠たちの絵の中で、最初に目を引いたのはベラスケスの《卵を料理する老婆》。陶器の中で卵を揚げる様子が描かれている。ガラス、金属など様々な材質の器や静物、そして揚がっていく卵を質感豊かに描き分けている。後に「画家の中の画家」と呼ばれるベラスケスが、まだ18歳か19歳の時に、自分の実力を証明するかのように描いたものである。

ベラスケス《卵を料理する老婆》(1618年)

巨匠たちの絵は、皆、その個性が感じられるものばかり。特に印象派はそれが顕著である。モネはモネ、ルノワールルノワールドガドガ。遠くからでもわかる。

英国を代表する風景画家というと、ターナーとコンスタブルになるだろう。ほぼ同い年の二人だが、当時最年少の27歳でロイヤル・アカデミー会員に選出されたターナーと、53歳になってからようやく会員になったコンスタブル。英国でのコンスタブルの生前の評価は低かったが、隣国フランスで評価されて、のちの印象派に影響を与えたと言われている。昨年観た「コンスタブル展」を思い出しながら、二人の絵の前に立つ。

ターナートンブリッジ、ソマー・ヒル》(1811年)

コンスタブル《テダムの谷》(1828年

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展覧会の最後を飾るのは、雄大なナイアガラ瀑布をアメリカ側から描いた作品、チャーチ《アメリカ側からみたナイアガラの滝》である。これは米国の画家の作品だが、スコットランド出身で米国で成功を収めた実業家による寄贈である。

図録を購入。表紙となっている 3人の貴婦人の絵を描いたのは,、18世紀を代表する英国の肖像画家レノルズである。

www.mainichi.store

『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』、『国立西洋美術館 名画の見かた』と言った本を手元に置いて、じっくり復習したい。

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チェロの響きが心地よい:藤原真理チェロ・リサイタル(神奈川県立音楽堂)

藤原真理さんのチェロを聴く。ピアノは倉戸テル。

kanagawa-geikyo.com

演目はメジャーな「ドイツもの」2曲と、フォーレ

そしてアンコールは:

親しみやすい穏やかな語り口で、曲を紹介された。

チェロの響きは、なぜこんなにも心地よいのだろう?

カラータイマーのあるウルトラマン(1966)

カラータイマーのないウルトラマン(2022)

神奈川県立音楽堂に行く時に、ランドマークプラザを通ったのだが、映画「シン・ウルトラマン」公開を翌日に控えて、新旧ウルトラマンが展示されていた。

shin-ultraman.jp www.huffingtonpost.jp