サントリー美術館で開催されている「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」は、デザイナーの佐藤オオキさん(NENDO)が提案する、日本美術の新たな楽しみ方を満喫できる展覧会である。
作品の背景や作者の意図を知る左脳的なアプローチか、ただあるがままに右脳的に感じるか。一つの作品を二つの見方で観るために、最初は inspiration のコース、次は information のコースと、美術館を2周回る。最初は感じるままに、その次はその作品の背景知識となる解説を読み、同じ展示物に対して、異なる感動を味わえる企画になっている。撮影可なのに気づかず、写真を撮らなかったのは残念だが、ウェブサイトでその楽しみ方を知ることができる(動画)。information コースでのイラストを使った解説が非常にわかりやすい。
さてサントリー美術館の会員更新をすると、過去の展覧会の図録を一冊もらえる。今回は「のぞいてびっくり江戸絵画 科学の眼、視覚のふしぎ」をゲットした。
六本木から渋谷まで足を伸ばして、BUNKAMURA ザ・ミュージアムの「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」展へ。印象派より少し前の時代から、印象派にかけての作品が集められている。少年のころから絵画に興味を持っていたバレルが、のちに海運王となり購入したコレクションは、英国から門外不出だったそうで、初めて観る作品ばかり。本国のコレクションが改装中のため成立した展覧会だそうだ。9,000点以上もあるコレクションの中から、80作品ほどが初来日した。アンリ・ファンタン=ラトゥールの「春の花」、アンリ・ル・シダネルの「雪」や「月明かりの入り江」など、美しい小品が多い。お洒落な装丁の図録を入手した。