町田市立国際版画美術館にて開催されている「浮世絵風景画 - 広重・清親・巴水 三世代の眼 -」展を再訪する。なぜなら前期・後期で全作品の展示替えが行われたからだ。
前期の展示を観に来た時にも書いたが、今回の「浮世絵風景画」展は、副題にあるように、江戸時代の歌川広重、明治時代の「光線画」小林清親、そして大正・昭和時代の「新版画」川瀬巴水の三世代にわたる絵師たちによる抒情性豊かな浮世絵風景画を、これでもか、というくらいのボリュームで展示している。前後期でそれらを総入れ替えしており、見ごたえ十分の展覧会となった。
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最初のコーナーでは、江戸から東京へ移り変わる中で、3人の絵師が同じ場所を描いた絵を並べて展示している。前期は神田明神、芝増上寺、亀戸天神だったが、後期は新大橋、隅田川(待乳山、向島)、浅草寺、御茶の水、日本橋、滝野川(王子)、小金井(桜)などである。
歌川広重《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》(1857)
小林清親《東京新大橋雨中図》(1876)
川瀬巴水《東京二十景 新大橋》(1926)
歌川広重《名所江戸百景 真乳山山谷堀夜景》(1857)
小林清親《隅田川夜》(1881)
川瀬巴水《雪の向島》(1931)
歌川広重《名所江戸百景 浅草金龍山》(1856)
小林清親《浅草寺雪中》(1881)
川瀬巴水《東京二十景 浅草観音の雪晴》(1926)
歌川広重《江戸名所 御茶の水》(1853)
小林清親《茶の水雪》(1880)
川瀬巴水《東京二十景 御茶の水》(1926)
歌川広重《東海道五十三次之内(行書東海道)日本橋 曙旅立の図》(1830-44)
小林清親《日本橋夜》(1881)
川瀬巴水《東海道風景選集 日本橋(夜明)》(1940)
歌川広重《江戸名所之内 王子瀧の川紅葉風景》(1853)
小林清親《滝の川池の橋》(1878)
川瀬巴水《東京二十景 滝の川》(1929)
歌川広重《冨士三十六景 武蔵小金井》(1858)
小林清親《武蔵百景之内 小金井さくら》(1884-85)
川瀬巴水《小金井の夜桜》(1935)
そして歌川広重、小林清親、川瀬巴水、それぞれの浮世絵風景画が「これでもか」というように展示されている。前後期合わせて非常に充実した風景画の展覧会を満喫した。図録も購入。370もの作品について、1枚1枚に丁寧な解説がつけられており、読み応え十分の図録である。
歌川広重《東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪》(1834-35)
歌川広重《東海道五拾三次之内 四日市 三重川》(1836)
小林清親《高輪牛町朧月景》(1879)
小林清親《御茶水蛍》(1877-79)
小林清親《三保之浦帆》(1881)
川瀬巴水《東京二十景 荒川の月(赤羽)》(1929)
川瀬巴水《清洲橋》(1931)
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