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美術館巡り:まずは「永遠の都 ローマ展」(東京都美術館)

会社休日を有効活用すべく、美術館・展覧会を巡る。最初は上野の東京都美術館で開催されている「永遠の都 ローマ展」へ。

Web サイトから展覧会の概要を引用する:

永遠の都ローマ ― 二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は、古代には最高神をまつる神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。その丘に建つカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます。同館のはじまりは、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります。古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家からもたらされた絵画など、その多岐にわたる充実したコレクションは、古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます。

本展は、カピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介します。

なお、2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年の節目にあたります。使節団の訪欧は、のちの日本の博物館施策に大きな影響を与えることになりました。この節目の年に、ローマの姉妹都市である東京、さらに福岡を会場として、同館のコレクションをまとめて日本で紹介する初めての機会となります。

展覧会の最初にあるのは、ローマ建国のシンボルとも言える《カピトリーノの牝狼》。古代ローマの建国者ロムルスは、双子の弟レムスとともに狼の乳で育てられたという伝説を表現した彫刻である。

今回の展覧会のみどころの一つは《カピトリーノのヴィーナス》という古代彫刻であろう。カピトリーノ美術館以外では見ることができない門外不出の作品を、360度ぐるっと観賞することができる。Web サイトから《カピトリーノのヴィーナス》の解説を引用する:

古代ギリシャの偉大な彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ヴィーナス像に典型的な恥じらいのポーズをとる。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない門外不出の作品です。

ローマ時代に確立した彫刻ジャンルが、偉人や有力者を写した「肖像彫刻」である。展覧会では、数多くの肖像彫刻を見ることができる。その中の一つ、《コンスタンティヌス帝の巨像》の原寸大複製は、頭部だけでも 1.8m あり、度肝を抜かれる。コンスタンティヌス帝は、それまで東西に分割統治されていたローマ帝国を再統一し、キリスト教を公認した皇帝である。

トラヤヌス帝が建てたトラヤヌス記念柱の高さは 38m。記念柱の壁面には 2,500人以上の人物や、馬・犬といった動物が彫られている。展覧会ではそれを写し取った作品を見ることができる。

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カピトリーノ美術館をはじめとする建築物・広場について、Web サイトに書いてあるみどころ情報を引用する:

1471年、時の教皇シクストゥス4世は、教皇宮殿前に置かれていた《カピトリーノの牝狼》や《コンスタンティヌス帝の巨像》を含む古代ブロンズ彫刻4点を、ローマ市民に返還するという名目で寄贈し、カピトリーノの丘の中庭に設置しました。 これが現在のカピトリーノ美術館コレクションの前身です。その後、16世紀に巨匠ミケランジェロカピトリーノの丘の頂にカンピドリオ広場を建設するプロジェクトを手がけました。こうして広場と建築群からなる現在の美術館複合体は、都市ローマの壮麗さを体現する現在の姿にいたりました。本章では、美術館の起源からミケランジェロの都市計画までの展開を絵画、版画等を通してご紹介します。

カピトリーノ美術館の絵画館からも、数多くの作品が来日している。

古代彫刻に始まり、ルネッサンス以降の絵画など、さまざまな作品をじっくりと見ることのできる展覧会であった。

今回は公式図録ではなく、より一般向けに書かれたムック本『ローマ帝国――ここがすごい!永遠の都ローマ』を購入した。昔、世界史の授業で習ったうろ覚えの知識を思い出すことができる。

美術館のレストランでランチ。誘惑に負けて、背徳感の高いプレートをチョイスしてしまった。