松岡美術館をあとにして、六本木に向かう。アークヒルズでランチ、そして泉屋博古館東京で開かれている展覧会「特別企画展 日本画の棲み家」を見る。
今、旬なのは巨大な麻布台ヒルズなのかもしれないが、こじんまりしたアークヒルズもいいものである。サントリーホール前には、大きなクリスマスツリーが飾られている。
昼食は、BRASSERIE LE VIN(ブラッセリールヴァン)にて、ランチコースをいただく。ここは本当に美味しい。今回はジェノベーゼのパスタ、黒いデミグラスソースのハンバーグを堪能したが、僕の舌でも、一口食べただけで味の違いがわかる。
とどめはとちおとめのシャーベットとプリンのデザート。イチゴをたっぷり味わった後は、濃厚なキャラメルソースのプリン。大満足のランチであった。
夜に来たことはないが、サントリーホールの公演の前に立ち寄るのもいいかもしれない。
食後の腹ごなしも兼ねて、アークヒルズを散歩。ENOTECA を見つけたので、来週の友人の新居訪問用に、ピノノワールを求める。誕生月クーポンが使えてラッキー!
そしてアークヒルズからスペイン坂をぶらぶら上って、泉屋博古館東京へ。「特別企画展 日本画の棲み家」が開催されている。
Web サイトから展覧会の趣旨を引用する:
明治時代における西洋文化の到来は、絵画を鑑賞する場に地殻変動をもたらしました。特に西洋に倣った展覧会制度の導入は、床の間や座敷を「棲み家」とした日本絵画を展覧会場へと住み替えさせました。その結果、巨大で濃彩な作品が増えるなど、日本絵画は新しい「家」にふさわしい絵画表現へと大きくシフトしていきます。このような時代のなかで集められた泉屋の日本画は、むしろ邸宅を飾るために描かれたもので、来客を迎えるための屏風や床映えする掛軸など、展覧会を舞台とする「展覧会芸術」とは逆行する「柔和な」性質と「吉祥的」内容を備えています。
本展では、かつて住友の邸宅を飾った日本画とその取り合わせを再現的に展観し、床の間や座敷を飾る日本画の魅力を館蔵品から紹介します。また現代の作家が「床の間芸術」をテーマに描いた作品もあわせて展示し、いまの「床の間芸術」とは何かを考えます。
京都・四条派の写生と西洋絵画の写実を融合した竹内栖鳳は、帝展における「展覧会芸術」化を憂い、「床の間芸術」の提唱と実践を行った。「禁城」とは戦前まで皇居を指した名称で、栖鳳が好んだ画題である。濠に藻刈舟が浮かぶ初夏の光景が軽やかに描かれている。
個人的には木島櫻谷(このしまおうこく)の作品が見られたのがよかった。泉屋博古館は木島櫻谷の作品を数多く所蔵しており、行くたびにいくつかの作品を見るのが楽しみである。今回は《雪中梅花》と鷹を描いた《震威八荒図》が心に残った。
美術館周辺、すなわち旧住友家麻布別邸の跡地の紅葉が美しい。