白金台・プラチナ通りのすぐ近くにある松岡美術館を初めて訪ねる。
中庭の紅葉が美しい。
中国・インドなどアジアの美術品・工芸品が数多く展示されている。やはりガンダーラ(現代のパキスタン・ペシャワール地方の古名)の仏像は独特の趣きがあって面白い。インドの仏教とギリシア・ローマの彫刻技法、イラン系遊牧民クシャーン族の美意識が融合して成立したと見られているとのこと。
2ヶ月ほど前、トーハクの東洋館を見て回ったので、一層親しみが湧いた。
そして「アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界」と題した展覧会が企画されている。
乾隆帝の時代、翡翠の産地ミャンマー近くまで清の支配が及び、宮廷の工房には良質の翡翠がもたらされ、選りすぐりの工人たちが腕をふるったと言う。葉先にキリギリスがとまる翡翠の白菜。白菜は花嫁の純潔、昆虫は子孫繁栄の願いを表わし、翡翠の白菜は婚礼の縁起物として清代に製作された。故宮博物館所蔵の《翠玉白菜》は清朝末期の妃の嫁入り道具だったと言う。
こちらも 2ヶ月ほど前に、静嘉堂文庫美術館で中国の陶磁を見て、粉彩という技術を学んだ後でもあり、よい復習となった。
事業で財をなした個人が、このように多くの美術工芸品を収集して、美術館にしてくれたのはありがたいことである。「1,000億円(7億ドル)という契約をした大谷翔平君も美術館を設立してくれないかなぁ?」そんなことをふと思ったりもした。